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．
「……本題、とは？」
「やだなぁ、君。私は探偵だ。本題と言ったら、依頼に決まっているだろう」
「いや、別に、依頼なんて」
「―――無い、と言い切れるかい？」
俺の全てを見透かしたような目に射ぬかれ、口を噤む。実際、無いとは言い切れなかった。
「……良いんですか？」
「良いよー。しかも今はここ専属の探偵だからね。お代は全部しーたくさ。遠慮無く依頼したまえ」
「それ会社のお金なので、僕にも影響ありますけどね」
「おっと、ばれたか」
依頼を受ける際だけは、彼女は煙草を絶対に吸わないらしい。箱を仕舞い、彼女は静かに俺の声に耳を傾けてくれていた。
……ここ最近の話だ。一回目が、駅のホーム。電車がまもなく到着するというアナウンスが流れて腕時計を確認した、午前10時だった。その時―――ドンッと、後ろから押されたのだ。
幸い学生時代にバスケをしていた経験もあり、体幹はしっかりしていたためか、線路内に落下することはなかった。後ろからの衝撃に足が一歩前に出た瞬間、目の前を先頭車両が通過していった。
慌てて後ろを振り向いたが、そこにはスマホを弄っている若者に、隣の人と話している中年男性、買い物鞄を持った女性と、それらしい人物は居なかった。
「犯人らしき人物は確かに居なかったんだね？」
「はい」
「ふーん。じゃあまぁ一応後で後ろに居た人達の情報聞かせてね」
二回目が、歩道橋。
その日は打ち合わせの為に訪れていた場所から丁度帰宅していた時で、オフィスに向かう際も、近場に買い出しに行く際も使うことの無い歩道橋を久々に使っていた。
そこでも駅のホームと同じく、階段に差し掛かったところで、ドンッと後ろから押された。咄嗟に手摺を掴んだため転げ落ちることは無かったが、階段を一段踏み外し、その時は捻挫をしてしまった。今も、まだ包帯は巻いている。
「その時の犯人は？」
「一応、後ろ姿だけは見ました。黒いパーカーを着た、体格的に男性だったと思います」
「なるほどね。ならば怨恨の可能性が強いな。しかもその人物は、君が歩道橋を使うことを知っていた。警戒した方が良い」
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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます！助かりました！早急に修正させて頂きます！ (2020年6月16日 22時) (
レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の｢マーキング｣が｢マーケティング｣になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください！これからも楽しみにしてます！ (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…！ Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています！更新頑張ってください！ (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
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