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≪それで？その手紙にはどんな変化があったんだい？≫
「それがですね、なにも書かれてないんですよ」
≪ほう。因みにその便箋は真っ白な便箋？それとも縁にはなにかイラストが？≫
「あ、花のイラストが……」
便箋の特徴を伝えようとしたところで、俺は気づいてしまった。隅っこに、なにかが書かれている。花の色と同じ色のペンで書かれていた為気づかなかったが、一度気づいてしまえばもう文字にしか見えない。
目を凝らして見つめる。小さな字。だがその字の解読に、大した時間は用さ無かった。読めた。確かに、読めた。
≪しーたく？≫
電話越しに聞こえる神津さんの声が無ければ、きっと俺は今頃、柄にもなく取り乱してしまっていただろう。
便箋を握る手が、震える。たった二文字だった。たった二文字、こう書かれていた。
―――殺す
刹那、背後から殺気を感じて咄嗟に振り返る。そこには、怒りを露にしたショートヘアーの女性が立っていた。手に、包丁を持って。
これは、マジでまずい。いくら鍛えているとは言え、凶器を持っている相手の撃退方法なんて知りやしない。一歩、後ずさる。
どうする、一か八か、家に駆け込めばなんとかなるか？その間に警察に連絡すれば、間に合うか？
「……殺す、殺す」
「っ……あなた、は……誰なんですか……？」
どうやら俺の声は届いていないらしい。彼女は大声を上げると、俺の方に駆け出してくる。脳内ではしっかりと家までの最短ルートも割り出しているのに、肝心の体が動いてくれない。恐怖に、足が竦んでいるのだ。
あぁもう駄目だ。幸い刃渡りはそこまでない。臓器までは到達しないだろう。なんて妙に冷静な脳内で考え、目を閉じる。
電話は、いつの間にか終わっていた。
「―――はーいそこまで」
電話越しに聞こえていた声が、目の前から聞こえた。次いで女性が離せと叫んでいる声が聞こえて、俺は目を開ける。包丁は、俺の腹に到達する前に、止められていた。ポタポタと、血が滴っていく。
神津さんの手によって、止められていた。
「私はっ、私はただ愛してただけなのにっ！！どうして？！どうしてこんな女なの？！？」
女性が俺に向かって言葉をぶつけてくるが、俺は目の前の光景から目が離せないでいた。包丁の刃を素手で掴み、なに食わぬ顔で女性の動きを片手で封じ込んでいる、神津さんから。
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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます！助かりました！早急に修正させて頂きます！ (2020年6月16日 22時) (
レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の｢マーキング｣が｢マーケティング｣になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください！これからも楽しみにしてます！ (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…！ Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています！更新頑張ってください！ (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
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