愛とか恋とか《短編集》【 sh 】 (ページ46)

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◎：ごめんねロマンスページ46

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『なにこれ誰から』
「……え、うそ、」
『誰』
「……元カレ、昨日ブロックしたはずなんだけど」

昨日、紫耀が来る前に元カレからLINE通話の着信が届き、〈元気？〉は未読のままブロック削除をして、念の為に電話番号も着信拒否をしたのに、今度はアカウントごと変更され再び連絡がきた。

『昨日ってなに、聞いてねえんだけど』
「ごめん、言ってなかった」
『……は？なにそれ。ちゃんと拒否してねえからかかってくんだろ』
「だから、」
『まだ未練あんじゃねえの、そいつも、……お前も』

紫耀が気にすると思って言われる前に全て済ましたというのに理不尽に怒鳴り、最終的に未練がある、だなんてよくもそんなことが言えたな。自分だってつい最近元カノから電話きて着拒したとか言っといて、そのすぐあと高校の友達介して連絡きて無視できてなかったくせに。

「……人のこと言えんの？」
『あ？』
「未練があるからあの子の連絡無視できなかったんじゃないの」
『うぜえ……もういいわ、出てって』
「……は？」

言いたくないことまで口にして本当情けない。携帯ごと押し付けられてリビングから追い出された。ここ最近の喧嘩の中ではかなり大きい気がする。追い出すということは１人にしろ、という暗黙のルール。そもそも私の家だけどね、ここ。自分が出てけばいいじゃん。

あぁ、ほんとムカつく。寝室に移動して頭を冷やそうとしてもダメだった。財布はリビングだし、まあいいや、どうせ追いかけても来ない。こんな夜に彼女を出歩かせるなんて最低だ、ばーか。一生後悔しろ、ばーか。

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