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◎:OVER DOSE ページ19






もういっそ、消えてしまえば良かった。聳え立つビルの最上階、見渡せば沢山の人々。繋ぎ止めた1本の糸を解くように冷たい風が吹き抜ける。一体なぜ私は此処にいるの。先を歩く影を追い、必死に手を伸ばした。振り返る仕草さえ、私には勿体無いくらい眩しかった。いつだって貴方は遠くて、何億分の1の巡り合わせをこんな簡単に運命にしてる私は無謀な世界を彷徨うだけ。






「どうした?」
「あのさ、」
「ん?」






冷え切った指先で誘導されたのは温かいポケットの中。当たり前に仕舞い込んで13センチの身長差に優越感を抱いた。熱い視線から逃げられないのは百も承知。街中を行き交う人々がスローモーションのように流れていく。笑みを含んだ小馬鹿にしたような返答に心の中で何度も唱えた。……ねえ、どうして私を選んだの。






「やっぱなんでもない」
「お前は俺がいないと生きていけないでしょ」
「…………」






彼は急にそう言った。図星だ。何に関しても百発百中で私の思いを汲み取る。そして最後は決まって奈落の底へと突き落とす。天国か地獄か、異空間で交差する感情が私の中に染み付いて離れない。一生抜け出せないのは彼も同じだ。言葉巧みに縛り付けて「俺はお前がいないと生きていけない」と軽々しく言い放つから。






__「死ぬ以外はなんでもしてあげる」






いつの日かそんなことも言ってた。他人事のように思っていたけど彼はきっと、死ぬ以外は本当になんでも叶えてくれる。" 依存 " と言えばそれまでだろう。だから私は決意した。貴方なしで生きてみたい、と。




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まきこ(プロフ) - 全部のお話すごく好きです!!甘えてくれる紫耀くん可愛すぎますね!またいろんなお話読めるの楽しみにしてます^ ^ (2021年2月14日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詠夢 | 作成日時:2021年2月7日 1時

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