淡紅舞う【煉獄杏寿郎】

46.報告 ページ46

※ これより先、
『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝』のネタバレ等含みます。コミック未読の方はご注意ください。






「兄上に用ですね？」



「あ、うん！いるかな…？」


　私が遠慮がちに言葉を声をかけると、


　千寿郎くんは柔らかい笑顔で答えてくれた。



「いますよ！今日は蜜璃さんがいらっしゃっていて

　今は道場で稽古をしていると思います。」



「蜜璃さん？」




「甘露寺蜜璃さんです。兄上が稽古をつけていた方で、

　先日最終選別から帰ってきた方です。」




　甘露寺さんのことか！

　蜜璃という名なんだ。素敵なお名前だなあ。



「そうなんだね。それならまた出直して…」




「もうすぐ昼餉ですし、

　伝えて参りますのでお待ちください！」



　千寿郎くんは私が帰ろうとするのを

　着物の袖を掴んで拒んだ。



「ふふ。ありがとう。」




「あの！Aさんのお時間が許すのであれば、

　昼餉を一緒にいかがですか？」



「それは申し訳ないよ！」



　千寿郎くんは私の手をぎゅっと握って微笑んだ。



「Aさんとも一緒に食べたいです！」



　きらきらと輝く綺麗な瞳と、

　少し頬を赤くした彼の顔が可愛くて…

　私はつい頷いてしまった。





　居間に通されると、

　稽古を終えた杏寿郎と蜜璃さんが後からやってきた。



「A！！無事に任務が終わったのだな！！」



「うん。杏寿郎との稽古で学んだことが功を奏したよ。

　本当にありがとう！

　今日はそのお礼を伝えたくてお家にお邪魔したの。」



　杏寿郎は自分のことの様に嬉しそうに笑うと、


　私の頭を撫でた。



「そうか！話が聞けて嬉しく思う！」





「あ、あの〜」



　杏寿郎の隣にいた桃色に毛先が黄緑色の髪色をした


　女性が口を開いた。





「甘露寺はAとは初めてだったな！

　こちらは俺の同期のAAだ。

　俺と同じ炎の呼吸を使う鬼殺隊士だ。」




「はじめまして。Aです。甘露寺蜜璃さんだよね？

　杏寿郎から少し話を聞いています。

　最終選別突破おめでとう！これからよろしくね！」




　私が手を差し伸べると、

　蜜璃さんは顔を真っ赤にして私の手を勢いよく握った。



「…か、可愛い！！！そして美人さんです〜！！！

　煉獄さんにはこんな素敵な同期が

　いらっしゃったのですね！！」




　握られた手が痛い。



　蜜璃さん、見た目によらずかなり力強いようだ。

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