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27.高鳴る胸の音 ページ27

杏寿郎と共に居間へと戻る途中


 廊下で千寿郎くんに会った。



「父上とは話ができましたか?」



「千寿郎くん…

 うん。少しだけね。」



「あ…!千寿郎!すまない!

 父上に昼餉の話をしそびれてしまった!」





「そうでしたか!大丈夫ですよ!

 きっと父なら匂いで分かるでしょう。

 それと、僕から声をかけてみます。」


 


「ありがとう、千寿郎。」




 眉を下げてにこりと笑った千寿郎くんは

 
 私を見つめて告げた。



「Aさん、兄上と稽古をなさるのですよね?

 Aさんの分の食事も用意してあるので

 一緒に昼餉もいかがですか?」



「そんな!気を遣わせちゃってごめんね!」



「もう時期昼だからな!

 先に食事をしてから稽古にしよう!」




「では、僕は支度があるので行きますね!」



 私は台所へと向かう千寿郎くんの肩を掴んだ、



「待って!私もお手伝いするよ!」



「そんな!お客様にお手伝いなんて!」



「お手伝いさせて?」



 私が千寿郎くんの顔を覗き込むと、


 千寿郎くんは頬を染めて口をぱくぱくとさせる。




「ど、どうしたの!?」



「ははは!Aがそんな近くで見つめるからだろう?」



 え?だ、ダメだった?


 そんなに近かったかな…





「嫌だったよね、ごめん!」



「君が別嬪(べっぴん)過ぎて

 慌ててしまったんだろう!」




 ん?別嬪…?



 一気に体温が上昇していくのが自分で分かる。



「何!?そんな急に褒められても何もあげられないよ!?」




「別に何か欲しいわけではないぞ!」




 杏寿郎はそう言うと私に顔を近づけ、目と目が合う。



 綺麗な瞳に自分が映り込んでいる。







 胸が高鳴り、


 耳元で鼓動が聞こえる…


 


 見つめ合ったまま静寂がその空間を包んでいたが、



 しばらくすると杏寿郎が口を開いた。





「うむ。やはり別嬪さんだ。


 俺は正直に美しいものを美しいと言ったまで。」




 彼はそう言うと、


 私の肩に手を置き、首を傾けて微笑んだ。






 耳元で聞こえる鼓動はさらに大きくなる。






 何…これ。




 何なの…?







「あ、あの…!」




 

 私の思考を遮るように千寿郎くんが声をかけた。




「Aさん、ぜひお手伝いお願いします…!」




「あ…!うん!もちろん!」




「そうか!ありがとう、A!



 俺はその間に居間の掃除をしておこう!」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます!引き込まれると言ってくださり大変光栄です!続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます!まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます!ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました!続編楽しみにしてます! (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜!いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年2月5日 21時

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