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12.初めての合同任務 ページ12

それから長い月日が経ち、

 はじめは同じ階級だったのに

 気がつけば杏寿郎は柱に近い存在。

 私はその2つ下の階級だ。





 数日前のこと。

 階級が丙に昇進した私はお館様の命が下り、

 杏寿郎の指揮下で任務にあたることになった。





 そして今夜が初めての合同任務ということだ。





 私は絡められた小指を握り返した。



 深く息を吸い込む。



「…背中、任せて。」


「うむ!」




 山が唸るように音を立て


 変な風が草木を揺する。



「お前がいることは分かっている。


 相当、人を喰っているな?


 罪なき人に牙を剥く者は

 
 俺たち鬼殺隊が許さない!!」




 暗闇の中、草木の影から鋭い眼光が見えた。


 目には数字…


 けれど、バツがついている。


 十二鬼月では…ない。



「鬼狩り…鬼狩り…

 やっと来た…私のところに…やっと来た…」



 その鬼は漆黒の長い髪を一つに束ねて

 爪を噛み、私たちを睨みつけていた。



「お前たち…強い?

 強いよね?分かるわよ…肌で感じるもの…。

 お前たちを倒して食い殺せば…

 私は戻れる…あのお方に戻してもらえる!!」



 その鬼が叫ぶと噛んでいたはずの爪が

 長く、鋭く、私たちを目掛けて伸びてきた。



 

 爪と刀が擦れる音がする。



 この爪、硬い…!!





「くっ…!!」



 爪の攻撃を交わして防ぐのに精一杯で


 鬼の頸までたどり着けない!!




「A!」



「はい!!」




 鬼の爪の攻撃のため迫られた私たちは


 再び背中合わせの体制になる。




「俺がこの鬼の爪の攻撃を交わしながら奴の気を引く!

 その隙にAは鬼の頸を狙え!」



「え…!?私が!?」



 杏寿郎は一瞬だけこちらを見て微笑んだ。



「君ならできる!


 頼んだぞ、俺の頼れる同期よ。」




 やはり彼はすごい。



 攻撃を交わすことに必死な私は


 攻略法を考える余裕すらなかった。





「分かった!」




 杏寿郎は鬼に一気に詰め寄った。



 鬼は杏寿郎に気を取られ、


 彼に目掛けて手を伸ばす。






 今だ!!






 炎の呼吸




 参の型




 気炎万丈!!!






「何っ!!!


 小娘が背後から…!?」





 振りかざした淡紅の刀は



 鬼の頸をしっかりと切り落とした。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます!引き込まれると言ってくださり大変光栄です!続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます!まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます!ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました!続編楽しみにしてます! (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜!いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年2月5日 21時

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