LOVE

家族っていいな　2 ページ2

私のお母さん



すんごい美人で、美容師



近所では腕が良いって、結構評判らしい



今は顔が見えないけど



私の20年前の記憶の若いお母さんに



ちょっと、しわが増えたくらいかな…



友輝「姉ちゃん、おかわりは？」



A「少ししようかな」



友輝「オッケー！」



この優しくて、ちょっと生意気な弟は



お母さんと同じ美容師



まだ、なりたてで有名な美容室で


修行中……


カリスマ美容師を目指してるらしい…



後々、この家を継ぐみたい……



こんな状況のおかげで、私は



身なりをきちんとしてもらえてる



髪型も化粧も、服装だって今時……



目だって、気がつかない人は多いくらい



見た目は、至って普通……



そのお陰で、見えてないのが嘘なんじゃ



ないかとか、昔よくいじめられた……



お父さんは…………



…………私が視力を失うまでは



普通に4人、仲良く暮らしていた……



私が、こうなってしまってから



毎晩、お父さんとお母さんの



喧嘩しているのを聞いていた……



ある時から、それがなくなって………



お父さんが家を出ていったんだなって



気がついた……



お父さんが出ていったのは私のせい……



弟が美容師になったのも



将来私をここで面倒見れるようにって



決めたみたい……



友輝「そうだ！姉ちゃん！これ！」



私の手に友輝があるものを渡してきた



A「？……紙？」



友輝「まぁ、紙って言えば紙……
なんだと思う？」




A「……チケット？」




友輝「正解！！なんのチケットだ？」



A「……オーケストラとか？」



友輝「そんなのは、いつも行ってるじゃん…
姉ちゃんが喜ぶグループだよ！」




A「…グループ？………AAA？」



友輝「そう！AAA！！すげぇだろ？
今、AAAのチケットってなかなか
取れないんだぜ！驚いた？」




A「………」




友輝「なんだよぉ〜リアクション
うすいなぁ…嬉しくないのかよ！」



A「……嬉しいけど……私……行けないよ…」



友輝「なんで？」



A「…だって……どうせ見えないし…
若い子とかたくさんいるし」



友輝「姉ちゃんだって若いじゃん」



A「……障害者だもん…」

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