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特訓 ページ10

*


ナムジュン先生によるお悩み相談室から数日。

まだ答えは出てない。
いや、事務所の決定が答えなんだろうからそう考えたらもう出てるんだろうけど。
私の心は決まってない。


なんとかポジティブに考えようとしたって「だけど」とか「でも」が邪魔する。
うじうじするのは嫌いなはずなんだけど、もうずっとこんな感じ。

私ってネガテイブで根暗女なんだなぁ…わぁ知らなかったぁ…あはは……


こんなときに限って、思考の沼から逃げられるような締め切り間近の仕事は終わってる。つまり、ずぶずぶ浸かり放題。

それでもこんな時だって働かなくちゃいけないんだから社会人は辛いよね。

今日も今日とてとぼとぼ出勤してだらだら仕事。
もちろんこんなのではかどるわけもなく、夜食を買って戻って来た。


「はぁ…」

「幸せもーらいっ」


ドアの前でポケットを漁って作業室の鍵を探してると、後ろから聞き覚えのある声。


「あれ、ジミナだ。おかえり。いつからいたの?」


防弾少年団のパク・ジミン。
腫れぼったい糸目とふにゃっとした笑顔が可愛らしいボーカルの1人だ。
ファン達はこの可愛さとステージに立ったときのキレのあるダンスのギャップにメロメロらしい。

…あ、メロメロってもう言わない?死語?


「ただいまー。Aヌナがリストラされたサラリーマンみたいな負のオーラを背負ってとぼとぼ歩いてきたとこから見てたよ」
「……うまいこというね」


確かに負のオーラ背負ってますよ、ええ。なんなら今すぐ泣いて喚いて駄々こねたいくらいですよ。


「はぁ…とりあえず仕事だ。ジミナ、暇?」
「え、うう「そうか暇か、ならちょうどよかった」
「答え聞く気全然ないね?」
「ん?ヌナの特訓断る気?」
「うぇー出たぁ!」


ぷっくりした唇を突き出して拗ねた顔をするジミナは、嫌そうにするけどなんだかんだ言って断らないんだよね。いい子〜。


とりあえず今は考えるのやめやめ。
新しい仕事もやってきたことだし集中。



*

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作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時

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