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「ただ、いつまでたってもステージの上は慣れないです」
「そう?似合ってると思うけどな」
「いやいや、私は作業室に篭って薄暗いとこで仕事するのが落ち着きます」
「あーそれは分かるな。俺も暗いとこ好きだもん」
「あはは、一緒ですね」


まさかヒヨル先輩も同じく日陰人間だなんて。(言い方)
勝手に親近感沸いてちょっと嬉しい。


「こーんなちっさくてまだ幼い、え、A氏何歳?」
「23です」
「うわ、まだ若いね!この子、僕の大学の後輩なんです」


そう言って私を紹介するヒヨル先輩。
観客席からはへぇ〜ってちょっと驚きの声が上がる。


「そうなんです。大先輩です」
「俺は14年かかったのをこの子はひょいひょい卒業したんだよ」
「いえ…私は今の仕事が前提で大学に行ったので、迷いがなかったんです」
「確かに俺は何したいかわかんなかったから、あれもこれもって勉強し出して気づいたら14年だよ」
「ふふ、でも羨ましいです」
「もっと勉強したかった?」
「はい」


作曲だけじゃなくて声楽や器楽の授業もたくさん受けとけば、もっと自分の音楽を広げられたんじゃないかって思う。


「今回のアルバムも構成がすごくいいよね」
「へへ、ありがとうございます」
「いろんな一日を歌ってるんだけど、どの曲も根っこにあるのは大切な人を大切にするってことなんだよね」
「わぁ、流しじゃなくちゃんと聴いてくださってて…、嬉しいです」
「当たり前だろ!俺の後輩なんだから〜」
「ひゃー!」
「ひゃーってそれどういう反応?」


そりゃもう感無量!って反応ですよ!
我人生に悔無し!!



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作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時

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