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番組のエンディングでは、一位に輝いた方のお祝いステージなんかも間近で見て、ずいぶんと華やかな場所だなって降ってくる紙吹雪を見ながらぼんやり思った。
わたしにはやっぱり場違いだな。
もうこんな場所に立つことはないかもしれないし、さっきは記憶に残せなかった客席を目に焼き付けとこう。
いろんな人にペコペコ挨拶して控え室に戻ると。
「おつかれさまー!!」
oh…まだいたんだね君たち。
ニコニコと出迎えてくれたみんなと、なぜかカメラを回してるホボミオッパ。んん?
「え、なに?何用のカメラ?」
「俺たちのBOMBに載せようと思って。一言お願いしまーす」
「あー来てくれてありがとー」
棒読みすぎて、ユンギに演技下手くそかよと鼻で笑われた。むかつく。
「ヌナ初ステージどうだった?」
「緊張でなにも覚えていません」
「いひひ、帰ったら録画してたやつみんなで見よーね」
え?何、その羞恥プレイ。鬼?キムテヒョンは鬼なの?
最後まで大いに騒いで、残りのオフを満喫してくると帰っていったみんなに続いて、私もようやくテレビ局を出た。
差し入れに持ってきてくれたコーヒーを手に車に乗り込むと、襲われる疲労感にぐったりとシートに沈み込んだ。
「ぐへぇーつかれたぁー」
「あはは、よく頑張りました」
うぅ…ジュノンオッパの優しさが沁みるぜ…
「A、ツイッター見てごらん」
「へ?」
ズズーっとコーヒーを啜りながら、言われた通りツイッターを開くと、恐ろしい通知数。デジャブ。フォロワーもめちゃ増えててぎょっとした。え、何事?
状況がわからないままタイムラインを見てて変な声出た。
いろんな人の呟きにやたらと出てきて目につくwizzz、wizzz、wizzz。
防弾少年団のメンバーがアップしてるのはまだ分かる。さっきまで一緒にいたんだから。
だけど、なぜHOMMEオッパたちも?さらにはなぜパンPDも!?
ご丁寧に動画を付けて「wizzz ファイティン!」なんて。いらっ
…いや、でも待てよ。
このためにわざわざテレビの前に座って、静かにスマホ構えてるパンPD……なにその絵面、面白そう。ぷぷぷー
とりあえずありがとうってみんなに返しとこう。
こうして、私の長ーいテレビ初出演の1日は無事?に終了したのでした。
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作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時