ちゃっかり ページ25
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デビューやインタビュー事件なんかもあったけど、なんだかんだいって普通の生活を送れてるのはやっぱり、顔出しを一切してないおかげ。これに限る。
防弾少年団のメンバーたちは、最近はどこに行っても写真を撮られたりサインを頼まれるようになったのだと、嬉しそうに、たまに疲れたように話してくれる。
それに比べて、わたしはまだ堂々とコンビニでラーメン買って外で食べれるし、漢江でバスケしてる人たちに混ざって遊んだりもできる。
どっちが良いのか、なんてのはその人の主観次第だけど。
わたしは断然後者。
ラーメンも満足に買えない生活なんて、想像するだけで泣ける。
そうやってのびのび過ごしながらも、2作目『ASAP』もちゃっかりさらっとリリースした。今度はクラブチューンの曲。
この前ジコオッパに無理矢理連れてかれて、初デビューしたクラブからヒントをもらったので。
…うん、自分でもなんて単純なんだろうと思ってます。影響受けすぎでしょ、と。
ええ、ごもっともです。
それまではクラブなんてパーリーピーポーが行く場所でわたしには無縁の場所だと思ってたけど、案外悪くなかったんですよこれが。
雰囲気も、お酒も、音楽も、新しい文化だと思えば面白かったし、そう、悪くなかった。
そりゃ変な人もいたけど、ジコオッパの眼力で逃げて行ったし。頼りになるボディガードだ。また連れて行こう…じゃないや、連れてってもらおう。
さらっとぬるっと出した『ASAP』もこれといって活動は何もしなかったけど、なぜか長くチャートインしてたらしい。
“らしい”なのは、わたしは基本的に順位とか興味がなくて、そういうものは一々チェックしてないけど、周りが教えてくれるから。
何位に上がってたよとか、まだランクインしてるとかそんなこと。
だけど正直言って、あまりピンときてない。
そりゃめちゃくちゃありがたいけど、まだ戸惑いの気持ちが大きいからなのかな。
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作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時