もんもん pt.2 ページ12
*
曲が終わって、ジミンが練習し始めても思考がぼんやりして集中できない。自分から特訓だって言い出したくせに。
「I need you girl 왜〜」
「ジミナ、そこ半音下げないで」
「ネー。いっつも下がっちゃうんだよなぁ…なんでだろ。このパートのジョングガはどう歌うの?」
「………えっ、なに?」
「ヌナどしたの?今日元気ないね」
この子にまで心配されてしまうとは。
相当きてるな、私。
「ジミナ」
「うん?」
「歌うのたのし?」
「っあはは、何事かと思った!なんでそんなあたりまえなこと聞くの〜」
あたりまえ、か。
そりゃそうだよね。
この子は歌が歌いたくて頑張ってその結果ここにいるんだから。
誰よりもたくさん努力してる。デビュー前も、デビューしてからも。
練習の虫だってみんなが認めるくらい、ダンスも歌も絶対手を抜かない。
そんな子からしたらあたりまえのこと。
それを私がしようとしてるのは、やっぱりだめなんじゃないかな。
歌うことに対して、あまりに覚悟が違いすぎる気がするから。
「…決めた。ヌナ、出かけよ!」
「え?今から?どこに?」
「いいから〜俺についてきなさーい」
人がズブズブとネガティブな沼に片足突っ込んでるってときに、この子は急に何かを思い立ったらしい。
フードを被って荷物と何故かギターケースを持って、すっかり出かける気満々。
どこに行くのか聞いても教えてくれないし。
でも私の相棒のギターが人質ならぬ物質になってるからついて行くしかないし。
なんなんだよもう〜
*
209人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時