【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

悪戯 2 ｰ立花仙蔵ｰ リクエスト作品 ページ6

生首フィギュアを全部拾い集めて戻しに行く。
Aも渋々手伝っていたものの、何度も私に悪戯をしてこようとする。

転ばそうとしたり、貸出表を奪おうとしたり。

可愛げのある悪戯だがまだまだだな。
そもそも困らせたい理由も分からないが･･･やるならもっと徹底的にやらないと無理だぞ。

立「Aはなんでそんなに私を困らせたい」

「立花先輩っていつも完璧で困ったとか悔しい顔なんて一度も見た事ないので、1回でいいから見てみたいので」

立「動機が不純だな･･･私だって困ることくらい沢山あるぞ」

「えー？まさかー」

立「ある、私も人間だからな･･･ここまででいいぞ、助かった」

「次こそは困った顔を見させてもらいますよ！！」

立「ははっ そうだな、楽しみにしてるよ」




それから1週間。
Aが悪戯をしかけてこなくなった。
そもそも学園にいるかどうかも危うい、学園内で見かけることが無くなった。

立「･･･」

毎日悪戯を仕掛けられていたものだから･･･急になくなると放課後がこんなに静かなんてな。
いつも通り 生首フィギュアの管理をして静かな放課後を過ごす。

浦「･･･なんか立花先輩 元気なくないですか？」

綾「そうだね、最近Aが来ないからかな」

浦「そうなんですか･･･」

綾「Aが来る時はいつも笑ってるからねぇ〜･･･」

立「聞こえてるぞ」

浦「えっ！？」

立「全く･･･お前たちはもう戻っていいぞ」

綾「じゃあお言葉に甘えて、藤内行こう」

浦「えっでも･･･」

綾「いいからいいから」

浦「し、失礼します･･･」

ｼｨﾝ･･･

静かな放課後が続く。
こうも静かだと･･･なんだか、変な感じだ。

まさか大掛かりな悪戯でも仕掛けてこようと考えてるんじゃないだろうな。
まさかな･･･Aの事だそんなに頭が回るはずないだろ。

ｶﾞｺﾝｯ

立「！」

「あ、やばっ」

立「全く･･･いつから？」

「だ、だいぶ前から･･･クソォォォォォ！バレちゃったァァァァ！！せっかくの1週間が無駄になった･･･」

立「ふっ･･･残念だったな」

「なんか、楽しそうですね･･･バカにしてます！？」

立「そんなんじゃない」

悪戯をされ続けていたから、されなくなるとこうも寂しくなるものだとようやく気づいたな。
Aの頭を撫でる、私の困った顔はまだまだお預けだな。

立「これからも私のことを困らせてくれよ。ちゃんと毎日な」

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