狐の嫁入り 1 ｰ竹谷八左ヱ門ｰ ページ42
狐の嫁入りとは
晴れてる日に雨が急に降ること、まるで狐に化かされていると思うことからそう呼ばれている。
まあ恐らくは通り雨のことをそう呼んでいるところもある、という話だ。
でも俺は化かされたって言うのはなんとなく好きだ。
例え的にも言葉的にも響というかなんというか･･･。
「竹谷くん」
竹「あ、Aさん」
Aさんは最近実習生として入ってきた人。
生き物に興味があるということで、よく生物委員会に顔を出してくれる。
でも会う時はいつも通り雨が降っている。
善法寺先輩じゃあるまいし、不運だから降っているという感じでは無い。
「おや、狐の子かい？」
竹「あ、はい･･･怪我してたところを保護したんです」
「･･･良い心がけだな、どれ」
狐を抱き上げると狐は嬉しそうにAさんの肩に乗る
そして、頭をグリグリと押し付けてまるで親子のような姿。
あんなに懐くなんて･･･何か付けてるのか？
いやでも匂いなんてしないし･･･なんでだろ。
「だいぶ元気そうだな」
竹「えっあ、はい･･･」
「これなら野生に返しても問題ないだろう」
竹「えっでも･･･」
「この子の親も心配してるだろ」
竹「･･･ですね、じゃあ今から一緒に山に行きましょう！」
「あぁ」
不思議な雰囲気を醸し出すAさん。
山に行き、狐を離すとAさんの袖を引っ張ってくる。
･･･す、すごい懐かれてるな。
Aさんは狐を愛おしそうに見る。
竹「離れたくないんですかね」
「みたいだな･･･不思議なものだ」
竹「もしかしたら家族と間違えてるのかも」
「･･･さあ？さて、ここを離れよう･･･ずっと一緒にいると情が湧きそうだ」
竹「はい！って･･･学園はこっちですよ？」
「いや、用があるんだ･･･先に戻ってくれ。」
その場を離れてAさんは山に行く。
少し気になって帰るふりをして後をつける。
Aさんが着いたところには狐の群れ。
こんなに沢山いたのか･･･。
目を離した瞬間にAさんは狐になった。
子狐は近寄ってぴょんぴょんと跳ね回っていた。
もしかして心配して、学園内に入ってきたのか･･･？
だから来る度に通り雨が･･･降ってたのかな。
愛おしそうに舐める姿は親子そのもの。
なんか、こっちまで情が移っちゃうよ･･･見なかったことにして学園に戻るか。
その日はAさんは学園に戻ってこなかった。
狐の嫁入り 2 ｰ竹谷八左ヱ門ｰ→←視線 2 ｰ立花仙蔵ｰ リクエスト作品
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ユリリン(プロフ) - メリークリスマス｡こんにちは。守一郎の話凄く爽やかで彼らしさが伝わってきで面白かったです。勘右衛門の話も読みました。どちらも最高です。素敵な作品２つも読むことができて嬉しいです。ありがとうございました。 (2022年12月24日 11時) (
レス) @page47 id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン(プロフ) - おはようございます。返信ありがとうございます。お待ちしています。 (2022年12月18日 7時) (レス) id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - アズさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます！かかせていただきます！ (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - ユリリンさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます！ (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
アズ(プロフ) - こんにちは。リクエストいいですか？夢主ちゃんが尾浜勘右衛門に一目惚れし甘味が好きだと知り評判のお饅頭を買って勘右衛門にアタックする話。勘右衛門も夢主ちゃんに誘われて嬉しくて喜んでいたでお願いします (2022年12月16日 21時) (レス) id: 7fd9378bbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルンバ故障中 | 作成日時：2022年11月14日 3時
