【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

視線 2 ｰ立花仙蔵ｰ リクエスト作品 ページ41

それから毎日化粧を教える。
傷が目立たない化粧、長くてもアレンジの出来る髪型。

もう私の指導が要らないほど完璧に覚えたAは編入時以上に綺麗な子になっていった。

藤「A 最近すごく綺麗だね」

「え？えへへ･･･」

藤「顔が見えるようになったからかな？」

綾「前は地味な子だったからね」

「あはは･･･前は前で少し悩みがあったんですけど、全部解決しました！」

眩しい笑顔を見せつけてくる
まさかあんなに地味だった子がここまで変わるとは･･･まあ元の素材が良かったというものだ。

いつか、作法委員会で出かける機会が出来て街へとみんなで向かっていた。
周りの視線が痛い･･･なんでだ？
見てる人はみんな男性･･･Aを見てるのか。

「あ、立花先輩！ここですか？」

立「え？あ、あぁ･･･」

「色んな化粧品があるんだな･･･」

立「そうだな･･･首化粧に必要なのはこれとこれだな」

「へぇ･･･」

立「さっ買い出しは済んだ、早く戻ろう」

「えっもう？」

立「あぁ･･･待ちみたいのか？」

「ちょっとだけ･･･」

立「･･･なら手を繋いで歩こう、ちょっとこの街には変な虫が多そうだからな」

「虫？」

立「あぁ」

虫とは街でAのことを見る男たちのこと。
あまり長いこといたくないのだが･･･仕方ない、Aのためだ。

Aは楽しそうに店を見ていったり、団子を食べたりする。
満足そうならいいんだがな･･･。

潮「ん？なんだ、仙蔵か･･･何してるんだ？」

立「何って･･･作法委員会の買い出しだが」

「あ、潮江先輩･･･」

怖いのか私の後ろに隠れて挨拶をする
嫌われたものだな･･･文次郎･･･哀れみの視線を送れば、そんな目で見るな！と言ってくる

立「私の可愛い後輩を怖がらせるな」

潮「う、うるせぇよ！」

立「好かれたかったらその顔を何とかしろ」

潮「生まれつきこの顔だよ」

「･･･」

立「ほら、大丈夫だぞ。ただの隈のある文次郎だ」

Aを抱き上げて安心させる
強ばっていた顔も口角が上がり、緩く笑う。

潮「お前･･･そいつのこと本当に好きだよな･･･」

立「当たり前だろ」

潮「いや、そうでなく･･･」

立「なんだ？好かれないから嫉妬か？」

潮「そんなんじゃねぇよ！！」

当たり前だ、好きなのは。
なんたって私の可愛い後輩だからな･･･。

後輩の中で一番 素敵で可愛い子だ。

潮「溺愛してんの、みんなにバレバレなんだよ！」

立「黙れ」

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