【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

心美しき 2 ｰ鬼蜘蛛丸ｰ ページ32

それから堺の港についても俺たちが話すことはなくなった。
俺を叩いた時の目･･･怯えていた･･･何か嫌なことをしてしまっただろうか。

白「鬼蜘蛛丸の兄貴！出航準備出来ました！」

鬼「あ、あぁ！すぐ行く！！」

その日からあの人のことが気になって気になって仕方なかった。

いつまた来てくれるだろう
会えるだろうか･･･と思う

そして、月日が経ち。

乱「鬼蜘蛛丸さーん！」

き「街で会うなんて珍しいっすね！」

し「陸酔い平気ですか？」

鬼「あはは･･･なんとか、三人は何しに？」

し「ここの近くに今 カメ子がいるので、逢いに来たんです！」

乱「あ、あのお団子屋さんじゃない？」

き「カメ子ちゃんだ！おーい！」

カ「あっ皆さん！」

目を向ければ座っているカメ子ちゃんと横にたっている従者の方。
ふらつきながら向かえば凝視されるような気がした。

「これはしんベヱ様･･･ご無沙汰しております」

し「Aさん！」

「きり丸様に乱太郎様も･･･お久しぶりです、元気そうでなによりです」

き「いやー様を付けられるとなんだか偉ぶりたくなるな」

乱「よしなよ、きりちゃん･･･」

「鬼蜘蛛丸殿は･･･あまり元気そうでは無いが？」

乱「あー･･･陸酔いしてしまってるみたいで」

「陸酔い？」

し「船酔いならぬ、陸酔いですよ」

「なるほど･･･大丈夫ですか」

俺に触れることなく心配をしてくれる従者の方。
そういえばAさんって呼ばれてたな･･･。

うっ･･･頭痛と吐き気がっ！

鬼「ううっ 」

いつもより陸酔いが酷いっ･･･このままじゃ気を失ってっ！
ふらついて片膝を着いてしまう。
みんな心配そうに駆け寄ってくるのがわかった。

一人を除き。

し「大変！早く海まで連れていかなきゃ･･･せーの！」

「「うっ･･･重い！！」」

カ「どうしましょう･･･」

き「そうだ、Aさんも手伝ってよ！」

「し、しかし」

鬼「うっ！」

乱「うわわっここで吐かないでくださいよ！？」

カ「無理を承知でお願いします！」

その言葉の後に軽々と体が浮いたのがわかった。
少し震えてるようにも思える。

そこで意識が途切れてしまった。

目覚ましたときには周りには乱太郎くんたち。
そして遠くの方から義丸達の声がする。

鬼「あれ･･･」

乱「よかった！目が覚めて！」

カ「Aさんが運んでくださったんですよ」

鬼「そうですか、じゃあお礼を言わないと」

カ「の前に、話したいことが･･･」

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