【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

心の内 2 ｰ黒木庄左ヱ門ｰ リクエスト作品 ページ23

左吉が去った後に池の畔に座り、話を聞く。
い組がからかってくるのなんてしょっちゅうだけど･･･Aは転入してきたばかりだからな

けど怒ったAを見れたのは少し運がいいと思った。

庄「どんなこと言われた？」

「は組は実践だけで、頭はからっきしなんだよって･･･どうせ二年生にも上がれないでみーんな落第だなってさ･･･」

庄「まあ事実だね」

「でもムカついた！だってみんな優しいし、いい所だって沢山あるんだよ！？
兵太夫と三治郎はカラクリ作るの上手いし、乱太郎は足速いし絵が上手いし、きりちゃんは暗算得意だしバイトだってすごいんだから！
それにしんベヱは毎日美味しそうに食べるし頑張り屋さんだし、喜三太は遠いところからわざわざ来て頑張ってるし、金吾も虎若も毎日筋トレして体づくりして
団蔵は字が汚いけど練習だってして努力もしてる、伊助も綺麗好きで毎日教室の掃除を丁寧にしてくれるもん！」

つらつらとみんなのいい所を言っていく。
涙を堪えながら語っていく姿は本当に悔しいんだろうと思うくらいだ。

庄「うん」

「庄左ヱ門だって･･･は組で一番頭が良くて、リーダーシップのある子だもん･･･そんないい子たちがいるは組をバカになんか･･･されたくない」

ボロボロと涙を零し泣く。
笑顔の裏でそんなことを思っていてくれたなんて･･･僕も嬉しい。
無理しているように見えたけどそんなことなかったんだね。

Aの背中を摩り、落ち着くまで何も喋らないままでいる。

「･･･ひっく」

庄「Aはは組が大好きなんだな･･･」

「大好き･･･だって仲間だもん」

庄「僕もは組のみんな大好きだよ、けどねAが入ってきてからもっともーっと好きになれた。
みんながAと話してると笑顔になって行くのを見てると僕も笑顔になれる」

心配していたけどいつも釣られて笑ってしまうんだ。
Aはみんなを笑顔にする力を持っていてすごいと思う。

庄「泣いてもいいけど、それは僕の前だけにして？みんなの前で泣いちゃうと、みんな心配して戸惑っちゃうからね」

「･･･ありがとう、庄左ヱ門」

庄「僕は何も･･･さて！泣き止んだら僕の部屋においでよ、美味しいお菓子があるんだ」

「お菓子？」

庄「学園長先生の行きつけのお茶菓子屋さんのだよ、すごく美味しいんだ」

「本当？早く食べたい！」

庄「元気になってよかった」

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