間に合え!! ページ24
臣にバイクの後に乗せてもらい
予定より早く空港に着けた万里は
急いでバイクから降り、臣にお礼を言うのを忘れずに
空港内へと走っていった
「悔いのないように…頑張れよ、万里」
その時の臣の目は
いつの日か亡くなった、笑顔の似合う友人を想っていた
ーー
「…まだ飛行機には乗ってねぇはず…まだ、大丈夫だ…!」
人を避け、空港内を走る
考えが間違っていなければ
Aは搭乗前の入口付近の椅子に座っているはずだ
そうであってくれと、万里は願いながら進む
「ハァッ…!ハァ…」
万里が予想していた場所につくと
見覚えのある後ろ姿があった
「A!!」
ザワザワと騒がしい人が行き交う中、声を出して呼びかける
「!……」
Aは肩をピクリと揺らし、振り向いて周りをキョロキョロする
万里は顔を見て、Aと確信し
足早にAの元へと進む
「A…!」
「ば…万里、くん?」
そろりと伸ばすAの手を
万里はしっかりと包む
「おう」
「何で万里くんが…」
「監督ちゃんと咲也から聞いた
…何で、俺に黙って行くんだよ…!」
「…」
「A!!」
Aは万里の手を力強く握り返し
震える声で返した
「だって…だって
行く前に万里くんの声とか、聞いちゃったら…わたし
行きたくなくなっちゃう…!」
「!」
「初めて、はじめてなの…
景色を見たいって思ったのも、学校に行くのが楽しみなのも、人と話すことが楽しいと知ったのも…
万里くんが、それを全部くれたの
だから、私は、目を治したいのに…
その為に海外に行くのに…
わたし、万里くんの声とか、聞いちゃったら行きたくなくなっちゃう…
万里くんが、好きだから」
「!」
Aの言葉に
万里は胸の奥がぎゅうっとなり
愛おしい気持ちが溢れてきた
その感情のままに
万里はAを優しく抱きしめた
「ばん…りく」
「お前は本当にずりぃよ」
「?」
「先に言われちまったけど…
俺も、お前が好きだA」
「!?
…うそ」
「嘘じゃねぇよばぁか」
Aを抱きしめたまま
万里は話を進めた
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紅葉-くれは- - めっちゃいい話しだった…(;д;) (2018年3月25日 0時) (レス) id: 42f83da7c4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみすみ(プロフ) - 一言いいですか...。最高でした!!! (2018年3月24日 23時) (レス) id: 43e6e1321d (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 続き気になります!更新頑張ってください♪ (2017年5月25日 18時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お嬢(眼鏡野郎) | 作成日時:2017年5月23日 19時