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収まらない感情 ページ22

万里はAを見つける為、会場中を探し回った

しかし何処にもAの姿はなく、万里は徐々に焦り始める

「(ま、まさか人混みに流されて訳わかんねぇ場所とか…)」

そうぐるぐると考え始めていた時

会場スタッフの話し声が聞こえた


「まだ演場にいる女性、どうしたんだ?」

「誰も話しかけてないですね、とりあえずまだいるようなら声をかけるかするみたいですけど」

ーーまだいる、女性?

話の内容に、すぐさま万里はピンときて

幕を降ろした演場へと急いだ

ーーー


「A!」

「!」

一番前の席、真ん中の席に

後から見ると少し頭が飛びてていて

声をかけると、ピクリと反応が見えた


「万里くん…?」

「ったく、探したぞ…」

万里はほっと安心し、Aの元へと歩いた

先程まで自分達が演じていた舞台はもう幕が下がり

観終わった観客の拍手が鳴り響いていた演場に響くのは、Aと万里の声と、Aの元へと歩む万里の足音だけだ

「何してたんだ?疲れたか?」

「ううん、違うの」

万里の言葉にAは首を振り

背もたれにもたれ掛かる

万里はまだ席から立つ気のないAの隣の席に座った

「…凄かった」

「あ?」

「私、何も見えないけど

耳で聞いて、脳裏に浮かんだ

万里君たちが戦う所、話し合う所、緊迫したところ、全部

…それでね

心の底から、ぐあっと何か、湧き上がる感情が起こったの

きっとこれが、感動って言うのだと思うの…

見終わって幕が下がっても感動が冷めなくて…このまま座ったままいちゃったや」

えへへ、と笑うAの顔に、万里は見とれていた

本当に幸せな顔をするのだ、Aは

自分達の芝居で、役者としてこれ以上の嬉しさはないだろう

「ごめんね、迷惑かけちゃったね」

「…いや、ちょっと心配しただけだ」

「そっか、ごめんね」

万里とAは、もう少しの間だけ、席に座って静かに過ごし

待ってくれているいづみ達の元へと戻った

事態は急変する→←驚きと感動



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紅葉-くれは- - めっちゃいい話しだった…(;д;) (2018年3月25日 0時) (レス) id: 42f83da7c4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみすみ(プロフ) - 一言いいですか...。最高でした!!! (2018年3月24日 23時) (レス) id: 43e6e1321d (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 続き気になります!更新頑張ってください♪ (2017年5月25日 18時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お嬢(眼鏡野郎) | 作成日時:2017年5月23日 19時

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