拝啓、兄上へ【鬼滅の刃】 (ページ42)

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雪斗｢…兄上の件でもう一度会えて、兄上だけではなく僕も助けていただいて…本当に嬉しかった。強くて、優しくて…手紙での貴女、直接会う時に純粋で可愛らしい一面も知れて、僕は心からAさん、貴女を好きになった…だから、あのような服を着ていた時焦りました。「他の男に誰にも見せたくない」と思い…それで突っ走ってしまい...」

雪斗さんがこんなに私を想ってくださっていた事

初めて知った

嬉しかった

…安心した

今まで、そのような素振りもなくて

私だけかと思っていた

ただの文通する間柄で、色んな知識を教え習うだけの仲だと

雪斗さんは蜜璃さんと同い年で

既に婚約者がいると思っていた

2つ下の子どもには興味がないとも思っていた

だから、叶わないとどこか諦めていた

『てっきり、私のような子どもに眼中に無いと思っていました…』

雪斗「え…もしかして………っAさん、その言葉に自惚れてもいいのですか？」

『……(ｺｸ』

私は「はい」と言葉に出来ずに頷くしか無かった

雪斗「全く君は可愛らしい。林檎みたいに真っ赤だ」

雪斗さんは私を抱き寄せた

雪斗「ありがとう。こんな僕を慕ってくれて…絶対幸せにします…こんなこと君に言ったら困らせてしまうけれど、必ず生きて帰ってきてください。どんなに傷だらけになっても君を愛します。だから、僕のそばに居てくれますか？」

『雪斗さんは本当にお優しいです。私、ちゃんと帰ってきます。そのためにも強くなります。なのでそばにいさせてください』

雪斗「本当ならどんな大男にも勝てるくらいの力で君を守りたいんですけどね…」

『では、罠があれば教えてください。それなら一緒に戦えます』

雪斗「ふふ、君らしい答えだ！」

襖の向こうで父上の咳払いが聞こえた

私達はパッと急いで離れ

その瞬間父上が入って来た

父上はいつもの格好ではなくきちんとした身なりになっていた

父上は一通一通目を通した

最後の一通を読み終えた時はお昼が過ぎていた

愼寿郎「…草条くん」

雪斗「は、はい！」

愼寿郎「…腹は空いているか？」

雪斗「え、あ…少し…」

愼寿郎「君が聡明で優しい人間だと知れた。だが、まだAとの婚約は許可できない」

雪斗「『え』」

愼寿郎「…もう少し君という人を知りたい。A、悪いが2人で食事をする」

『は、はい…』

父上と雪斗さんは街で食事をしに出かけた