76話 限界ヲタクにタックルを。 ページ32
Aサイド
そしてそれから数日後。
必死の抵抗も虚しく、私は禪院家の門をくぐった。
私の顔を見て? この能面みたいな顔を見て?
可哀想だよねそうだよねお見合い中止にするべきだよね!!
本気で嫌だわ。だってあの人がいるんだもん。
直「Aちゃーん! 久しぶりやねー!」
そう言いながら両腕を広げてこちらへ走ってくる男性。
出たわ妖怪
気持ちは分かるよ!? 甚爾先生かっこいいもんね!
でもさ、月1で「写真送れ」は無くない? 暇じゃないのよ私。
『お久しぶりです!』
私も両腕を広げ、感動の再会……
と、なるはずだった。
直「ゴフッ」
勢いはそのまま、全体重を乗せたタックルをお見舞い。
真希先輩イジメたのまだ許してないからな? ああ゙ん?
直「Aちゃんヒドない!? 俺の扱いヒドない!?」
ヒドないヒドない。ちゃんと前に言ったからね。
『言ったじゃないですか、真希先輩殴った分だけあなたにタックルするって』
人を殴っていいのは、人に殴られる覚悟がある人間だけだもん。
騒いでいると、兄が私の頭にポンと手を置いた。
五「もー、時間に遅れたら僕が怒られるんだから、早く行くよ」
『はーい』
ここでゴネたら絶対面倒なことになるので、大人しく兄について行く。
通されたのは禪院でお見合いをするときに使う部屋。
しかし、今回はいつもと少し違った。
座布団に正座してしばらくすると、使用人さんが狐のお面を持ってきたのだ。
使「こちらを付けていただけますか?」
『あ、はい』
反射的に受け取ったが、今までこんなことお願いされなかったので混乱する。
何か知っていないかと兄に聞いたら、相手側からの要望らしい。
「お互いが揃うまではお面で顔を隠していてほしい」だとか。意味わからん。
まあ、六眼あるから付けても特に支障はないし、大人しくつけた。
うわ、真っ暗だ。目のとこに穴が空いてない。
そこからまたしばらく経ち、正座をした足が軽く痺れだしたころ。
襖が開き、誰かが部屋に入ってきた。
足音は二つ。多分お見合い相手と付き添いの人だろう。
気配の一つは机を挟んだ向かい側に座る。
五「じゃ、それぞれお面取ってください」
兄の声が聞こえた。頭の後ろで結んでいた紐を解き、お面を外す。
お面を外し、目の前に座る相手を見た瞬間。
『は?』
私は素っ頓狂な声をあげた。
目の前に座っていたのは……
恵先輩だったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1081人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yui(プロフ) - 第三弾はまだ作成中となっています。今日中にパスワード解除しますので、もうしばらくお待ちください。楽しみにしていただいてありがとうございます！！ (2023年2月5日 6時) (
レス) id: 8606fea28c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - いつも楽しく見ています！失礼ですが第三弾パスワードはどうしたらわかりますか？ (2023年2月5日 0時) (レス) @page37 id: 8d3847b149 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 初コメ失礼します。第三弾パスワードってどうしたらわかりますか？ (2023年2月4日 22時) (レス) @page37 id: 853b88f4af (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - yuiさん» 二リットル！？どうせなら二十リットル...((((相手にはできないのか...はっ、気づかれないようにザリガニでも忍ばせれば...(((((続き楽しみにしてます！ (2023年1月20日 21時) (レス) id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 猫狗さん» ええ実行しましたよ２Lってところがポイントです(((((お相手にはできないんですねそれが･･････ 理由は次回の投稿で！！ (2023年1月19日 18時) (レス) id: eb54d0122a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2022年8月4日 18時
