65話 体育祭XX ページ21
「お前、本気でそれ言ってんのか？」
そう言うと、爆豪の顔に当惑が浮かんだ。何言ってんだコイツ、とでも言いたげな表情から、爆豪が本気だった事が分かる。
訝しげな視線に向き直り、俺は口を開く。
「お前は、Aが才能だけで自分たちを超えるって言ってたな。本気でそう思ってんのかって聞いてんだ」
語気を強めて問いかけると、爆豪が反論する。
「本気もなにも……事実だろうが」
分かっていたとは言えども、出てきた言葉に俺は目眩がした。理解されていない事への怒りより、ここまで強い思い込みに対する呆れが勝る。
あれか？ 俺がAの事褒めまくってたのが原因か？
しょうがないだろ。事実だし(開き直り)百歩譲ってそうだとしても思い込みが酷い。
小さくため息をつき、爆豪を見据える。正面から睨みつける眼は澄んだ赤をしていた。
「確かにAは天才だ。間違いねえ。でも、自分の力量も限界も知ってる。だからAは努力を惜しまなかった。守るための力を手に入れる努力を惜しまなかった。
勘違いしているようだから言ってやる」
ここまで言って、俺は息を深く吸い込んだ。
「Aの才能は呪術の才能じゃねえ。体術でも、頭脳でも、応用力や判断力でもねえ。
Aの才能は、“努力が出来る”っつー才能だ」
そう言うと、爆豪は何かに気づいたような顔になる。
「お前の重ねた努力がどれだけのモンかは知らねえ。
お前がなんでヒーローを目指してるのかも知らねえ。
でも、努力してるのはお前だけじゃねえ。
強くなりてえなら、自分が一番だなんて思うな」
それだけ言い残し立ち去る。
爆豪は動かなかった。ただ、その場に立ち尽くしていた。
廊下を2回ほど曲がり、爆豪から俺の姿が確実に見えなくなった頃。
俺はしゃがみ込んで顔を覆った。今更ながら、爆豪に言った言葉に羞恥心を抱いたのだ。
なにが「強くなりたいなら〜」だ。
なにが「Aの才能は〜」だ。
ただのキザじゃねえか。今この場に親父や五条先生が居なくて本当に良かった。絶対イジってくる。経験上間違いない。
遠くステージからアナウンスが聞こえる。それを聞いて、俺は顔から血の気が引いた。
爆豪の試合の次。Aの試合。
慌てて観客席まで走る。
足取りは、どこか軽かった。
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yui(プロフ) - 第三弾はまだ作成中となっています。今日中にパスワード解除しますので、もうしばらくお待ちください。楽しみにしていただいてありがとうございます！！ (2023年2月5日 6時) (
レス) id: 8606fea28c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - いつも楽しく見ています！失礼ですが第三弾パスワードはどうしたらわかりますか？ (2023年2月5日 0時) (レス) @page37 id: 8d3847b149 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 初コメ失礼します。第三弾パスワードってどうしたらわかりますか？ (2023年2月4日 22時) (レス) @page37 id: 853b88f4af (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - yuiさん» 二リットル！？どうせなら二十リットル...((((相手にはできないのか...はっ、気づかれないようにザリガニでも忍ばせれば...(((((続き楽しみにしてます！ (2023年1月20日 21時) (レス) id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 猫狗さん» ええ実行しましたよ２Lってところがポイントです(((((お相手にはできないんですねそれが･･････ 理由は次回の投稿で！！ (2023年1月19日 18時) (レス) id: eb54d0122a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2022年8月4日 18時
