[Fischer's] 希望の光 短編集 Part.9

隠さない！ ページ19

A side

…やばい…目の前の焦点が合わない…

完璧風邪ひいた…

朝起きると寒気がするし、頭が痛いし…

でも子どもたちもいるし、仕事も忙しいし…

だめだ、こんなの忘れるほどの勢いで仕事すれば、しんどいのなんて忘れるんだから

シルクには持ち前の演技力を使って、言わないでおこう

メンバーが集まるまで編集に励んでいた

シルク「なぁ」

A「何？」

シルク「何かおかしくね？」

A「へ？」

シルク「さっきから全く編集進んでねぇし、同じことばっかり繰り返してるけど…何か俺に隠してるだろ」

A「別に何も隠してないよw」

シルク「嘘だ。もうAの演技力には騙されねぇ。何隠してるか言えよ」

A「だから、何も隠してないってば！」

イライラしてきた…怒ったって意味ないのに…

シルク「なんでそんなムキになってんだよ。それが1番怪しいわ」

あぁ…もう！

A「ちょっと進みが遅かっただけで、そんな言われると思わなかった」

シルク「隠し事する方が悪いだろ」

A「はいはい、分かりました」

イライラを抑えようと、キッチンで冷たいものでも飲もうと立った瞬間、今まで治まっていた目眩が再開した

それと同時に立っていることも出来ずに、私はそのまま倒れた

シルク「…A？…おい、A！」

その声を聞いて、意識を手放した

どれだけ眠っていたのだろう…

目を開けると左手は点滴に繋がってて、右手はシルクが握っていた

シルク「A？大丈夫か？」

A「…私…」

シルク「俺の前でぶっ倒れた」

A「…ごめん…」

シルク「朝から熱あったんだろ？なんで隠したんだよ」

A「だって…こんな忙しい時に…風邪なんてひいてられないじゃん…」

シルク「忙しいからって、隠してこんなことになったら元も子もないだろ…まぁ、気付かなかった俺が悪いんだけどな」

A「シルクは悪くないよ」

シルク「嫁のことをしっかり見てない旦那が悪いんですw でも、ひなと奏陽もいるんだから気をつけろよ？あいつらの前で倒れたら、びっくりしすぎて腰抜かすぞw」

A「はい…」

シルク「ちゃんと俺に言うように！…さっきキレてゴメンな？」

A「ううん、ずっと傍にいてくれてありがとう」

子どもたちの前で倒れるのを想像したら、あの二人を可哀想な目に合わせちゃうって分かったので、もう絶対に隠さないと決めましたw

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まゆさん
リクエストありがとうございました！

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