猗窩座side・2日目�� ページ20
猗窩座は壁際に座り、瞑想するように目を閉じた
Aは此方を気にしながら
握り飯をもぐもぐと頬張っている
呑気なものだ
此処はあのお方の力も及ばないのか
俺が姿が見えないとなれば
鳴女の琵琶ですぐに無限城に呼び寄せられるはずだが
一向に琵琶の音は聞こえない
全く…何故こんなことになったのか
こんなところで
無駄にする時間など無いというのに
それと
共に閉じ込められたA
弱者のくせに
何故か気にかかる
杏寿郎の仇と俺を睨みつけ
自分の命と引き換えに俺を閉じ込めようと画策し
理不尽に与えられた激痛にも命乞いはせず
傷を負わせた俺が
気まぐれに施した手当てに
｢ありがとう｣と礼を言う
挙句俺を呼び捨てだ
｢同居人｣などど言って
いつの間にか敬語も使わない
今となっては警戒心が微塵も感じられない
強いのか
弱いのか
よく分からない奴だ
(｢ありがとう｣……か)
『ありがとう』と
いつかも
誰かに言われた気がする
……いや
気のせいか
A｢グッ………ッゲホッ！ゲホッガハッ!!｣
激しい咳の音で現実に引き戻された
A｢ハッ……ガハッ……！｣
呑気に握り飯を喰っていたはずのAが
突然激しく咳き込みながら苦しんでいる
(……ケホッ…………ゴホッ…)
(……ごめ…………なさ……)
何かが頭をよぎる
なんだ……幻…か？
(クソッ…消えろ！)
何故か激しい焦りが心を揺さぶる
｢どうした?!｣
気がつけばAを抱きかかえていた
A｢…ゲホッ…水…変な……味…………！｣
｢水…?!｣
Aを抱きかかえたまま、竹筒の水を口に含んだ
すぐに顔を顰めて水を吐き出す
匂いは無いが
ジワジワと口を刺激する苦味と
舌が痺れる感覚
｢……毒か…？ふざけた真似を…!｣
Aの咳は止まらない
喉がヒューヒューと鳴る
｢落ち着け、ゆっくり息をしろ｣
子どもをあやす様に、Aの背中をゆっくりとさする
｢ケホッ…ケホッ！グッ…カハッ………グッ｣
喉が切れたのか、Aが吐き出した唾液に血が混じる
｢…………!!!｣
毒…………水………………血が………………………
(井戸………………も、殺さ……………………)
な………んだ………？
俺は
前にも
同じ
誰か
｢あか……ざ……｣
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ゆあな(プロフ) - てふてふさん» てふてふさん(^^)コメントありがとうございます！私も無限列車編を見て鬼滅熱が再び燃えております(｀･ω･´)読んでいただけて嬉しいです(*^^*) (2021年9月27日 19時) (
レス) id: c561953436 (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ - 完結から時間が経ってからのコメントで申し訳ないですが、無限列車編TV放送で再燃して読ませていただきました！ぽろっと涙が溢れるストーリーと、裏シーンはどきどきが止まらず本当に腰が砕けそうでした……！続編含め、素敵な作品をありがとうございました！ (2021年9月27日 14時) (レス) id: 2bb0e08beb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まりも。さん» まりも。さん(*^^*)なんて嬉しいお言葉…涙出るくらい嬉しいです！ありがとうございます(T^T) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。(プロフ) - もう何度こちらの作品を読んだことでしょう。大好きが止まりません(作品も猗窩座も) (2021年2月24日 13時) (レス) id: 1dc894a7c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まゆまゆさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も猗窩座大好きなので、ホントに私の欲望と願望を詰め込みました(笑)現実になってほしい…(o´艸`) (2021年1月27日 12時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあな | 作成日時：2021年1月11日 20時
