もう、どうでもよくなった。 (ページ28)

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28話ページ28

俺は荼毘さん達を軽くあしらって、弔さんの後を追うが、やっぱり今は弔さん自身で考えるべきだと思い、追うのをやめた

そこら辺をプラプラと歩いてると、近くにある病院で足を止めた

ここによく母の見舞いに来てたな

母は此処で生涯を終えた

俺は幼かったが、記憶が全くないわけじゃない

否、幼かったが故に鮮明に覚えてる

俺が4歳の頃、母は突然家の中で倒れた

俺がすぐ側にいて使用人達を呼んだから母は早急に病院に運ばれた

母は膵臓癌と診断されその上余命半年と告げられた

母は相当辛かっただろうし、受け入れられなかった筈だ

それでも母は俺の前では涙を一切見せず、それどころか俺の大好きな笑顔で見舞いに来た俺を出迎えてくれた

俺は母が元気になるようにと、神に縋るような思いで毎日願った

ある日

俺はいつも通りに母の見舞いに来ていた

すると突然母が聞いた

母「乙矢の個性はなんだろうね」と、

個性の出現は平均4歳ぐらいだ

当時の俺は既に4歳を迎えていたが、個性の出現はまだだった

『僕の個性が分かったらお母さんは元気になる？』

何も知らない無邪気な子供から出た質問はきっと母を苦しませてしまっただろう

でも、笑顔で

母「そうだねぇ、」

ぎこちない感じで母は答えた