【Fischer's】前途多難な恋だから * モトキ

シャンパン * 01 ページ39

"久しぶり、この前はごめんね。Aに彼氏が出来たって思うとなんかイライラして。あれから色々俺やっぱり、Aが好きだ。もう一回会えないかな？"

夜中に届いていたLINE。
普段だったら絶対既読にしないであろう相手なのに、寝起きで寝ぼけてたのか既読にしてしまい、内容で目が覚めた。
勿論会うつもりはさらさらないが、このまま無視しても良いものだろうか。会わない、会えないと返信するべきだろうか。
時計を見ると準備をしなければいけない時間。今の私の優先順位は元カレなんて全く比較対象にならないレベルで間違いなく仕事。面倒なこの件はとりあえず無視をすることにした。


* * *

マサイくんとシルクくんは同じマンションなこともあり、以前よりよく見かける。ンダホくん、モトキくんも。ダーマくん、ぺけたんは本当にたまにだが会う。そして、今日は初めてザカオくんに会えるらしい。
今はマサイくんのお家。前にシルクくんが言ってたシャンパン企画なるものの撮影が終わったらしく、皆でシャンパンを消化する会が開かれている。
シルクくんとンダホくんはもう結構飲んでるようで、顔が赤くなっている。モトキくん、マサイくん、ダーマくん、私はゆっくり、ぺけたんはいっぱい飲んでたと思っていたのだが、気付くと部屋の端で寝ていた。

もうすぐクリスマス。
一年で一番仕事が忙しい時期。きっとモトキくんと一緒にお酒飲めてるこれが、私にとって早めのクリスマスになるのかな、そんな事を考えていたら、玄関が勢いよく開いた。

ザ「おつかれー」

ザカオくんだ。動画で見るより少し小柄だが筋肉があるせいか大きく見える。
そんなザカオくんは、私を見るなり"え？！"と声を上げた。シルクくんの方を見るとニヤニヤと楽しそうにしている。きっと彼に私がいることをわざと伝えなかったのだろう。

ザ「え！？女の子がいる！？」

「はじめまして、AAです」

ザ「あ、はじめまして、ザカオです」

マ「二人して何かしこまっちゃってんの」

回りから笑いがおきる。
そして、何を勘違いしたのかザカオくんのテンションの上がった質問が飛んできた。

ザ「で！！誰カノ？！誰カノ？！」

マ「モトキ、あれ言ったら！"俺のなんで"ってやつ！」

モ「ちょっ、あれは場をおさめるためで」

ザ「モトキの彼女？」

「ちっ、違います！」

顔に熱が集まってくる。
シルクくんを見ると大爆笑。唯一私の気持ちを知ってるだけに、あの笑顔はたちが悪いのだ。

シャンパン * 02→←Fischer's * 06

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す