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何度か角を曲がると、急に視界が開ける。

「……中庭だよ。綺麗でしょ?」

私は無言で頷いた。

青々とした芝生と、慈しむような笑みを浮かべた女の像。
頬を撫でる風は、少し冷たい。

何故だか、懐かしいような切ないような気持ちになって、涙が零れる。

「……泣いてるの?」

背後の声は優しい。

……もう、会えないだろうか。

私の名前を呼ぶ声、頭を撫でる大きな手。
どこにいるのだろう。
捕まっているのだろうか。

私は涙を拭う。
諦めては、だめだ。
必ずここから逃げる。

「もう少し、向こうも見てみる?」

私が泣き止んだのを見てか、車椅子が動き出す。

「シロツメクサがあるね」

水島が屈んで、一つを摘み取った。

「昔、一緒に花冠を作ったんだよ」

彼は微笑んで、その花を私に差し出す。

……あ。

『Aは、僕がずーっとまもるからね!』

幼い頃の無邪気な笑顔と、今の微笑みが重なる。
……溢れだしそうな記憶に、蓋をした。

「覚えてないな」
「……そう、か」

シロツメクサは、水島の手から落ちていった。

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ほっ - え、今更新中止しますか!?めっっっっちゃいいところだったのに!?? (2022年3月6日 13時) (レス) @page49 id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - あ”ぁ”ぁ…っ、ちょ、いいところっ……!!今!いいところぉっ……… (2021年7月31日 2時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
あま - 一番気になるところで… 更新待ってます!!! (2020年6月20日 23時) (レス) id: 621034dbe1 (このIDを非表示/違反報告)
- 今、更新停止中ですね。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: a614cebea9 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 更新楽しみにしてます…!吸血鬼様良き… (2019年11月22日 16時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年1月4日 0時

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