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25話 ページ49

風呂から出て、涼星の部屋へ行く。

「涼星、風呂上がったぞ」
「ああ。……A、再契約の方法は二種類ある。この前と同じ方法と、もう一つ」
「何?痛くない方がいいな」

涼星は俺を真っ直ぐ見つめた。

「俺の血を飲むこと」
「へえ……。じゃあそっちにする。痛くなさそうだし」
「……」

銀のナイフが取り出され、涼星の手首に傷をつけた。
それを目の前に差し出される。

「飲め」
「……わかった」

差し出された手首に静かに口をつけ、ぺろりと舐めてみる。
……普通に血の味だ。

「まだ飲んだ方がいい?……っ!?ぅあ、がっ」

変化は突然訪れた。
喉の奥が、熱い。
血が通っていったところが、焼けるように熱い。

「涼星っ、喉がっ、やけてる」
「ほら、もう少し飲め」
「いやだっ……!!」

気づくべきだった。
何の苦しみもなく終わるわけがないと。

涼星は俺がこっちを選ぶと知ってて選ばせた。
……俺の心を試すために?

「A」
「痛い、もう、いやだっ!」
「別に無理に飲まなくてもいい。そうしたら俺が別の人間の血を吸うだけだ」

やっぱり、試されているんだ。

涼星の腕を掴んで、塞がりかけていた傷を強く噛んだ。
溢れた血を一滴も零さないように飲む。
激痛は身体中に広がり、骨が溶けているような気がした。

「A、もういい。十分だ」
「涼星っ、痛い、からだが、」
「痛みはしばらく続く。ベッドへ連れていくから暴れるなよ」

抱きかかえられてベッドへと連れていかれる。
相変わらず全身を蝕む熱い痛みに、目の前が白くなる。

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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね!(数年前の作品にすみません!) (8月17日 21時) (レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました!(*^^*)頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ダダ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください! (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね!特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年8月5日 14時

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