19話 ページ43
深海「A・・・?」
榛原「ただいま」
激しく混乱している涼星の唇に軽く口づける。
珍しく動揺した姿をにやにやしながら見ていると、
涼星はゆっくりと、泣き笑いのような微妙な表情を浮かべた。
深海「遅い」
ぎゅうっと抱きしめられる。
温かい確かな感覚がよみがえって俺も泣きそうになった。
榛原「もう離れないから、殺すなよ」
ごまかすように笑って言うと、涼星は体を離して俺を見つめた。
深海「二度とあんな思いはしたくない」
榛原「?」
深海「お前が路地裏に倒れてたとき、俺は生きた心地がしなかった」
頭に手が置かれた。
俺をいたわるためではなく、この場に縫いとめるように。
深海「ほかのだれかに殺されるくらいなら、俺が殺そうと思った」
榛原「・・・俺は、できれば生きてそばにいたい。無理ならいいけど」
深海「俺もそう思っている。でも・・・次はない」
・・・少し、遅かった。
もう前のような関係ではなくなった。
狂った歯車は戻らない。
ごめん、涼星。
ちょっと待たせすぎた。
榛原「・・・わかった。ずっとそばにいる」
涼星は少しほっとしたように微笑んで、俺から手をはなした。
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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね!(数年前の作品にすみません!) (8月17日 21時) (レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました!(*^^*)頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ダダ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください! (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね!特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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