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18話 ページ42

ひとつ、噛み傷が増える。

新しい傷口から、血が抜けていく。


榛原「っ・・・!!」


唇を噛んで、声を堪える。

涼星さんは俺を見て、笑った。


深海「なんで声抑えてるんだ?」

榛原「っ・・・もう、放してください」


このまま涼星さんの言いなりになっていれば、私はこのままではいられないきがする。

・・・この赤い瞳の前では。


深海「・・・さっきまでは従順だったのにな」

榛原「・・・従順じゃないと、嫌いですか?」


涼星さんが、何かしらの力で、俺を洗脳しているのだとしたら・・・

俺は、信用されていないのだろう。


深海「・・・そうだな」


涼星さんの顔から笑みが消えて、瞳に冷たい光が浮かぶ。


深海「気が変わった。今すぐ、殺そうか」


つぶやかれた言葉に、目を見開いた。

なぜ・・・?

頬をなでる指が、冷たい。

逃げたくても、逃げられない。

逃げようとすればすぐに殺されてしまう気がして。

・・・もっと大切なものを失ってしまう気がして。


深海「怖いのか」


怖いけど、それは死ぬことがじゃない。


榛原「・・・」

深海「すぐに済む。そこまで痛くもないだろう」


感情のない瞳が、俺を見ている。


榛原「・・・死んだら、俺は涼星さんの役に立てる?」


頭の中で、なにかが叫んだ。

なに?なんで・・・??





深海「・・・なんで、同じことを言うんだ」





・・・あ、そうか。

パチン、と何かがはじける音がする。






榛原「思い出させてくれるって言ったのに。嘘吐き」


両手を伸ばして、涼星の首に腕をまわした。

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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね!(数年前の作品にすみません!) (8月17日 21時) (レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました!(*^^*)頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ダダ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください! (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね!特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年8月5日 14時

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