1話 ページ25
目を開いた
白い天井
自分は布団に包まれている
榛原「・・・」
頭の中がすっぽ抜けていた
といっても知識は全部覚えている
人と関わった記憶がないのだ
ほかに不具合はないかと自分の両手を眺めて開いたり閉じたりしてみる
深海「起きたのか」
優しいけれど、・・・脳をかき乱すような声
声の主は男の人・・・男の子?で
不思議な表情をしていた
なんというか、感情が全部混ざったみたいな表情
それでも綺麗だった
急に頭が痛くなる
榛原「っ・・!?」
深海「頭が痛むのか?・・・寝てろ。まだお前は疲れているんだ」
さっきと同じ調子の低い淡々とした・・・それでいて優しい声が頭に響く
榛原「待って!・・・私と、貴方の、名前は?」
一瞬だけ、男の人の顔が歪んだ・・・ように見えた
深海「・・・俺は涼星だ。君の名前は・・・・A」
ああ、聞いた事があるな、と思った
この名前を聞いたことがあるのではない
この名前をこの人の、この声で、この発音で聴いたことがあるのだ
何度も
なのに、思い出せないのはなんでだろう
もどかしい
涙だけが流れていく
心と体が離れてるみたいだ
心がおいてかれてる
だって、全然悲しくないんだ
これだけ涙が溢れているのに
悲しみは溢れてこない
悔しさに似たもどかしさがあるだけなんだ
意味が分からない
冷たい指が私の涙を掬う
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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね!(数年前の作品にすみません!) (8月17日 21時) (レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました!(*^^*)頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ダダ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください! (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね!特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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