22話 ページ23
榛原「涼星ッ・・」
深海「ん?」
優しい瞳
ほんとのこと、いわなきゃ、いけないのに
榛原「・・・ありがとう・・っ」
でてきたのは感謝の言葉と、
たくさんの涙だった
深海「・・おう」
涼星はふわりと微笑んだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家に着いた
涼星が俺をそっと布団に寝かせてくれる
今からじゃ、もうおそいけど
ここで言わなきゃ、だめだ
榛原「涼星・・・ごめん、ッ俺・・後3日、くらいでっ・・記憶が・・」
深海「・・・そうか」
涼星は思ったよりも驚かない・・・なんとなく察してたような感じだった
榛原「っ・・せっかく助けてくれたのに・・」
深海「気にするな」
そういって寂しげに微笑んだあと、涼星は銀のナイフを出した
深海「契約を、解除しよう」
榛原「・・・わかった」
涼星は一瞬その金色の瞳で俺を見つめて、直後に自分の腕を浅く切った
そこに口をつけ、血を吸う
涼星の唇が重なるのを感じる
口の中に広がる血の味
唇が離れたときには涼星の瞳は黒に戻っていた
これで、涼星は俺がいなくても生きていける
涼星は、契約者の血をある程度吸わなきゃ生きていけないって言ってた
だから、涼星は俺がいなくたって・・・
問題ない
だから
榛原「・・・俺を、殺して」
深海「・・・それで何の意味がある?」
榛原「そしたら、涼星の、非常食になれる。少しでも役に立てる、だろ?」
深海「・・・・お前が、俺にとって一番役に立ってる時は
俺と一緒にいてくれるときだ」
涼星が俺の瞳を真っ直ぐ見つめて話す
深海「記憶がなくなったら、また最初からやり直せばいい」
榛原「っ・・・涼星のこと、忘れたくない」
きっとこれが本音
榛原「涼星のこと忘れてたら、生きてる意味なんて、ない」
深海「じゃあ思い出させてやる」
深海「だから、心配しないで全部忘れろ」
視界がぼやける
涙がとまらない
涼星に抱きついて泣く
この体温も、頭を撫でる手の感触も、微笑んだときの表情も
全部忘れて、
きっと
いつか
全部思い出す
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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね!(数年前の作品にすみません!) (8月17日 21時) (レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました!(*^^*)頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ダダ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください! (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね!特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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