【夏目友人帳】スウィーツより甘いキスを君に。【夏目貴志】

什肆 ページ15

夏目ｓｉｄｅ



この妖怪の、素直な心




ずっと皐月の側で支えてきたんだろう




苦しい、辛い、切ない



いろんな思いがまざりあった雫が



彼の頬に流れた。




「皐月…？」



皐月「わたしっ…見えてないの…？朝…睦月も、見えなかったの…っ…どうしよう…！」



睦月っていうのか、この妖怪



皐月「ううっ…くっ…ひっく…」



両手で顔を覆い

嗚咽を漏らして泣く皐月の姿は



ホントに寂しそうで…



俺は思わず彼女を抱き締めた




皐月「へ………？」







「そんなに泣くなよ…」



側で睦月が見てるのに、



最低だ、睦月の気持ちを知ってて



でも



「きっと見えるようになるから…」




静かに、皐月を落ち着かせる様に


ゆっくり、背中をさすった




皐月「ううっ…夏目君…っ…」



「…！！」



皐月は俺の背中にそっと手を回して



しがみつくように握りしめた




皐月「妖怪が見えないだけでっ…こんな寂しいなんてっ……」




「絶対見えるようになるさ。」





皐月「うんっ…うんっ…！」



しばらく抱き合ってから、俺達はとてもじゃないけど学校に行く気分にはなれず、


サボりつつ、色々と散歩した


繋いだ手から、皐月の辛さが伝わってきた。

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