07恋 ページ8
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ホワイトビーチと東浜さんと私
(と、後ろに誠知)
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べ、別の呼び方…?
んー…どうすればいいんだろ
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「東浜巨さん」
「なんでフルネームなの(笑)」
「東さん」
「んー…だめ」
「…浜さん」
「面白いね浜さんって(笑)
でも、却下。」
「じゃあ…巨さん」
「あー、あと一声」
「巨、くん?」
「ん。それがいいな」
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よろしくね、って
片手をハンドルから離して
伸びてきた手は私の頭をポンポンと撫でた
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「でも、東浜さん私より年上じゃないですか」
「じゃあ、2人でいる時だけ巨くんって呼んで」
「それ以外の時は、」
「巨さんでよろしくお願いします」
「…分かりました」
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なんて言うか、東浜さ…違う、巨くんは
the・王子様って感じがするなぁ…
私が撮った写真の中の巨くんもいつだって綺麗だし
こんなに優しくて…話しやすい人だったなんて
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「あ…この曲」
「お、分かる?」
「…巨くんの登場曲ですよね」
「うん。ホワイトビーチって曲」
「へへ、知ってます」
「それはありがとう(笑)」
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最初ガチガチだった私も
気づいたら緊張が解れていた
巨くんって呼び方は…まだ、慣れないけど
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「風を集めて〜飛び上がろう〜♪」
「はは、Aちゃん歌上手いね」
「あ…ごめんなさい
この曲、ずっといいなって思ってたんです」
「何それ、むっちゃ嬉しい。
でもばやし寝てるから、もうちょっとボリューム下げてね(笑)」
「あ、そうでした…!ごめん誠知」
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少なくとも、巨くんの登場曲がスピーカーから流れて、自然にるんと口ずさんじゃうくらいには
巨くんと打ち解けることが出来たかな、なんて思う
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「今日のことは、ふたりだけの秘密ね」
「ふふ、はい」
「…ばやしは、」
「まだ寝てますね」
「これ、聞かれてたら結構恥ずかしいなぁ」
「誠知、昔から滅多に起きないんで大丈夫ですよ」
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黒いシャツを着た巨くんは
肘で顔を隠して、目を細めて肩で笑う
そんな巨くん…私は今まで見たことがなくて
初めて見る彼の一面に、私もつられて笑った
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「Aちゃんの家、ここ?」
「はい。ありがとうございましたっ」
「ばやしん家と、結構近いんだね」
「……そうなんです(笑)」
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車を降りれば、
窓の向こうでひらりと手を振ってくれる巨くん
私も手を振り返して、今日のお別れをした
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(……いい人だったなぁ)
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私は今日、巨くんとひとつ秘密を交わした
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時