24恋 ページ25
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変わらない、真っ直ぐ
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「……誠知、ねぇ…ん、っ」
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誠知が唇を離さないまま、距離を縮めて
冷たいマンションの壁に、私を
昔の比にならないくらい強い力で追いやった
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「もっ….…む、りっ」
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角度を変えて、何度も、何度も
ざらざらした舌を絡められる
私の頬に大きな手を添えた誠知は、私を食べちゃいそうな勢いのまま…離してくれない
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動けなくて…何も考えられない
深く、深く、吸い込まれてしまいそうなキス
思春期のあの時なんかよりずっと
大人になった誠知の…そうだ、誠知のキスだ
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……誠知の、キスだ
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"同じ病院で、同じ日に生まれた"
"唯一無二の幼なじみ"
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「っ誠知、!」
「……」
「勝手にキス、なんて…
無理矢理なんて勝手すぎるよ…っ!」
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唇が離れた隙をついて
誠知の肩を押して腕の中から逃げた
…こんな誠知、初めて見た
私を貪るような、獣みたいな目の誠知なんて
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びっくりした。動けなかった。
息の仕方も、忘れたような気がした
誠知は口を腕で拭って、黙って私を見てる
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「…高校に入る前の春だって
誠知、私にキスしたよね
最近だって、急に不機嫌になったりして
私の調子だって狂うし
ずっと一緒にいたのに
誠知が何考えてるか、全然分かんないよ!」
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口調を荒らげて、爆発させたら
分からないけど…色々な想いが押し寄せてきて
目頭が熱くなった
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確かにあの春の日から、私と誠知の間で
何かが変わった…だけど、だけど。
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「…"幼なじみ"ってカテゴリーにも
"男と女"はあるの、分かってる?」
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耳に馴染んだ声に乗った言葉に
ゆっくり、顔を上げれば
強く、腕を引かれる
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私は…誠知の胸の中に、引き寄せられていた
細身に見えて厚い胸板に、頬が密着する
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「どういう、意味よ」
「……好きなんだよ」
「…え」
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「中3のあの時、キスした日から
や、違う…そのずっとずっと前から
Aのこと、幼なじみ以上に見てた
女として、Aが好きだ」
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少し声を荒らげながら
誠知は目を細めて、私を抱く腕に力を込めた
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誠知の懐かしい香りが、広がる
確かに聞こえる、彼の速く刻まれた心臓の鼓動が
私に"本気"を教えてくれる
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「言っとくけど
1番最初にAを好きになったの、俺だから」
「…誠知、」
「だから、もう1回言う」
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"好きだ。…お前のこと"
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私の胸に刺さった、2本目の純粋な矢印に
また…泣きそうになる
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時