10恋*side上林誠知 ページ11
side上林誠知
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目に見える、好意
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試合前の練習がひと段落して
ベンチに戻ろうとしたら、声を掛けられた
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「上林さん、こんにちは!」
「あ…芹沢さん、うす」
「今日もよろしくお願いします!」
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トレードマークのボブの茶髪を揺らして
目を三日月形に細めてにっこり笑う女の人
ローカルテレビのアナウンサーさん
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芹沢まどかさん
確か俺やAより2歳上の25歳…だった気がする
朝の番組でホークスのコーナーを担当しているから
よくこの人にインタビューされる
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「今日はこちらの話題についてなんですけど」
「あー…はい、わかりました」
「上林さんにぴったりの話題ですね!」
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さり気なく俺のパーソナルスペースに入って
さり気なく俺の腕にボディータッチ
程よく甘い香水の香りに
俺は鼻の下をかいた
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「昨日のホームラン、かっこよ過ぎました!」
「あ、ありがとうございます」
「私、もう鳥肌立っちゃって…!
今日、取材来る時もドキドキしちゃいました」
「はは…なんすかそれ、大袈裟っす」
「ほんとですもん!」
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もう、とあざとくほっぺをリスみたいに膨らませて
芹沢さん、華奢で小さくて…顔も小動物系だから
本当にどんぐりを頬張る小リスみたいになってる
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「おーい、芹沢と上林くん、そろそろ撮影したいんだけど?」
「あっ、ごめんなさいカメラマンさんっ」
「仲がいいのはわかったから(笑)始めるよー」
「はいっ!上林さん、こっちです」
「っす」
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俺のユニホームの袖を指で引いて
目が合ったと思えば、またにっこり微笑む芹沢さん
短めの髪を耳に掛けて、ピンクのピアスが揺れるのが見えた
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「今日の試合も、応援してます!」
「あざっす」
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いつもと同じように、インタビューを受ける
撮影が終わって、カメラマンさんやADさんが
満足そうに頷いて、俺にありがとうと伝える中で
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"上林さん"、って俺の名前を呼んで
身体を寄せて、俺にそっと耳打ちをしたのは
他の誰でもない…芹沢さん、で
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「上林さんっ」
「…はい、」
「いつになったら、"まどか"って呼んでくれるんですか?」
「…えっと」
「私、待ってますから」
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"今度、球場以外の場所でお会いしましょう?"って
小動物みたいに幼い顔立ちで
そんな顔できんの…?ってくらい、艶っぽい笑みを残して、芹沢さんは俺に手ひらりとを振った
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(…マジかよ…)
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目に見える、好意
どうすればいいんだ…俺
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時