∬004 ページ5
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『ボォオオ〜ン』
背の高い古時計が、夕食の時刻を知らせる。
ジョナサンは階段を降りると食堂に入っていった。
――重厚なロングテーブル。燭台には火のついたロウソクが三本立っている。
テーブルの左右には椅子が四席ずつあり、中央の椅子は主人の席である。
ディオはすでに席についていた。
ジョナサンは彼と向かい合わせの席に座った。
対面のディオと視線が合う。
「そういえばジョジョ、君から借りていた時計なんだけど……返すよ」
「えッ!」
「遅くなってすまない」
ディオはポケットから懐中時計を取り出すと、ジョナサンのほうへ手を伸ばした。
「あ、ありがとう……」
――(あれッ!? よく見たらこの時計、ぼくのじゃあないぞ! これは新品の時計だ!!)
ディオは眉をグッと下げて、やさしい声で言った。
「実はジョジョ、君の時計を不注意で壊してしまったんだ……
ずっと黙っていてごめんね。そのお詫びに新しい時計を君に返すよ。
……それで許してくれるかい?」
「う、うん……大丈夫、気にしてないよ。
わざわざ ありがとう、ディオ……」
――(意外! 二度と戻らないような気がしていた時計が返ってきた!
しかもディオがぼくのために新品を買うなんて……)
ジョナサンの脳裏に愛犬ダニーとエリナのことが浮かび上がった。
――(ハッ! ぼくは一体何を考えてるんだ!? 証拠もないのに彼を疑っている!
……ダニーの事件以来、ディオは少しずつぼくに対して心を開いてくれた!
それにちゃんと時計のことも謝ってくれたんだ! 彼は『いいやつ』じゃあないかッ!)
「ジョジョ、時計……気に入ってくれたかな?」
「うん……! ディオはセンスがいいね」
「センスか、照れるな……
お小遣いを貯めて買ったんだよ。その時計、大切に扱ってくれよな」
「『大切に』だって!? 君には言われたくないな」
ジョナサンが唇をすぼませる。
ディオが「はっ」と目を見開くと、ジョナサンは「プッ!」と吹いた。
『ワッハッハッハ!』――二人は大きく笑った。
――(うん、ディオを信じる努力をしよう……)
続いて、食堂の扉からジョースター卿とAが入ってきた。
ジョースター卿は中央の席に、Aはジョナサンの隣にそっと座る。
そのあとに使用人が、料理を乗せた配膳台を押しながらやってきた。
「一品目はキジのスープでございます」
銀色のフタが開けられると、湯気と共にコンソメの濃厚な匂いが立ちのぼった。
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推しの命は私の命 - ジョナサン空気( ﾟஇωஇﾟ) (10月15日 15時) (
レス) @page43 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - 黒猫歳花さん» コメありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです(*´ω｀)これからも、胸に刺さるキュンキュンを目指しながらお送りしますッ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - はじめまして、この作品を読んでいるとディオにキュンとしっぱなしで楽しいです！これからも頑張ってください(*^▽^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - おバカな傀夢さん» ありがとうございます笑 ディオのキャラが崩壊していないか不安でもあります(汗)お話も中盤にさしかかって参りました…! 引き続きよろしくお願いします(*^-^*) (2018年5月4日 12時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - おおっ！？やっと…やっと気が付いたかッ！ディオ〜！！大好きだ〜！！油電様も大好きです笑 (2018年5月3日 22時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：油電 | 作成日時：2018年4月1日 21時
