私はラメントーソ (ページ47)

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波乱の序章ページ47

『先輩、ちょっと変わりましたよね』

『…なにが？』

『男好き。治ったじゃないですか。まあ、あの頃の先輩見てて楽しかったですけどね〜』

『ムカつく。なによそれ』

映画帰り
木々に囲まれた少しだけ綺麗な遊歩道を矢花と二人で歩く

『それもこれも…嶺亜君のお陰なんですかね』

『なんで嶺亜？』

『嶺亜君を好きになったことで基準が凄まじく上がって、誰を好きになってもピンと来なくなっちゃったわけじゃないですか』

『…そうだけど、、、』

『よかったじゃないですか』

『嫌よ！男の人好きなのは治ってないんだから。…そうだ、矢花の会社の人でいい人いないの？』

『いなくはないっすけど、そういう人はみんな彼女いると思いますよ？』

『そうよね〜、まあいいんだけどさ。自分で探すし？』

…小さい頃の夢はお嫁さんで、大学卒業年上のダーリンとすぐに結婚しようと思っていたのだけれど、現実はそうも行かない
…実際私はもうすぐ24だ

『新卒で結婚しようと思ったのにな〜』

『まだ24じゃないですか。若い若い』

『若いなんてことはわかってんのよ。でもなんか年下のあんたに言われるとイライラする！』

『なんでっすか、一個しか変わらないでしょ』

『しかも、まだ23だし！今は矢花と同い年ってこと！』

『なんすかその屁理屈』

『誕生日なんてきて欲しくないわよね…彼氏いないし…周りはカップルばっかだっていうのに、、』

少し大袈裟に落ち込んで見せると、矢花が大口を開けて笑った

『まあ、先輩がずっと未婚だったら責任とって髙さんが結婚してくれるんじゃないんすか？…それか嶺亜君とか』

『近親相○じゃないそれ！』

『こんなところででかい声でやめてくださいよ！』

『矢花が言ったんじゃない！』

『…嶺亜はともかく克樹はリアルにないわね…』

『なんでですか？』

『克樹はちょっと結婚相手としては考えにくいかも…』

『本当にわがままっすね…結婚できなくても知りませんよ？』

『その時はじゃあ矢花が責任とってよ！』

いやいや何言ってるんすか
ありえないっすよやめてくださいよ！

って言葉を待ってたんだけど
目の前にいる彼は鳩が豆鉄砲を食たような顔で私をじっと見つめていた

やっと、口を開いたと思ったら
『いやいや…えっと、、なんていうかですね』なんてモゴモゴとしている

『いや、冗談だけどね、冗談！』

『分かってますって！』

また少し普通の空気に戻って私たちは再び歩き始める