私はラメントーソ (ページ44)

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『…赤の他人じゃないじゃん。嶺亜だって、慶のお兄ちゃんってことでしょ？』

『それは戸籍上の話。お前と慶にとって俺は本当に心のつながった兄弟じゃないわけ、いつまでもね』

『…なんでそんなこと言うの？私…も、慶も嶺亜の事大切に思ってるよ』

…だけどそれは私たちだけの話かもしれない
嶺亜はきっと…私たちのことを、、

『ごめん、…母親と散々縁切っておいて血が繋がってるはないよね…』

『はぁ、だからそう言うことじゃないって…俺だって、慶とAの事は大事に思ってるよ。それは、兄弟とても…友達としても、後輩としても。』

『嶺亜はさ…私たちのこと恨んでないの？』

『そんなこと俺本人に聞く？』

嶺亜が少し笑いながら私にそう問いかける
確かに言われてみればそうだ…本人に聞くことでもない

『…ごめん、無神経だった』

『いや、別にいいよ…うん、まあ完全に恨んでなかったといえば嘘になるけどさ…』

『やっぱり…』

…わかっていたけれど…
わかっていたけれど、実際嶺亜に…仮にもあんなにも好きで好きでたまらなかった人に恨まれていたなんて思ったら心がぎゅっと締め付けられる

私が嶺亜のことを好きだったあの何年間か
彼は私への絶え間ない恨みに駆られていたかもしれない

私はなにか気の利いたことを言うこともできず、ただただ唇をぎゅっと噛んで下を向いていた

しかし、嶺亜が私の肩をぎゅっと掴んで私の上半身を起こす
…そしてしっかりと目を合わせた

『小さい頃は恨みなんてなくてただ純粋に母親に会いたい、まだ会ったことのない妹や弟に会ってみたいってずっと思ってたんだ。二人に会うのが楽しみで会ったらなんの話をしようとか兄貴ぶってみようかなんて考えてたんだよ』

なんだか我慢できなくなって、目から温かい何かが溢れ出す

『捨てられた分際で何考えてるんだよって思うでしょ？…でも小っちゃいからそんなこと理解できなかったんだよなぁ』

心の中で呟く
ごめん…ごめんなさい嶺亜！
貴方が会いたくて会いたくて仕方のなかった母親と私はずっと暮らしていた…罪悪感で心が張り裂けそうだ

『大学生になってやっとAに会えて、まあ、最初はどうしていいかわからない時もあったけど…やっぱり俺らって兄妹なんだよね…波長は合うし、考え方も似てる。その縁で慶に会えた時も嬉しかったよ』

嶺亜が心底嬉しそうな顔をする
私はまた罪悪感が押し寄せる