私はラメントーソ (ページ39)

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．ページ39

『ご…めんなさい、、』

謝らないといけないのか？…私だって母親に必死に溜めたお金取られて…私だって、、私だって十分傷ついたはずなのに、、

でも私達が母親と絶縁した事で嶺亜に被害が行ったのは確かだ

『謝らなくていいよ。…それに、、これは俺が望んでやった事だから…』

『望んでやった事？…そう、、なの？』

『うん』

嶺亜は望んで母親の世話をして、資金援助をしてたって事？
あんな女って…母親だなんて呼びたくないって…言ってたのに、、

『お母さんの事…憎んでないの？』

そう聞くと嶺亜は優しく笑った
その顔はいつもの嶺亜の悪魔みたいな顔とは一変して心から素直に愛するものを見るような目で笑ったのだった

『憎んでるに決まってんじゃん。……でもさ、小さい頃ずっと考えてたんだよね、お母さんってどんな人だったんだろ…俺と何して遊んでくれてたんだろ…って』

『うん…』

『数少ない写真見つけ出して、必死に母親の絵を描いてたもんだよ…まだこんな時からな』

嶺亜が手を腰くらいに合わせる
なんだか心が締め付けられて目を合わせることができなかった

『ずっと母親の面影追い続けて、付き合う女の人まで母親の顔そっくりなの。笑っちゃうでしょ？』

だから…

だからあの時、、

だからあの時私に…そしてお母さんによく似た女の人と付き合ってたんだ

あれは私への愛情なんかじゃなくて…母親への執着だったんだ…

『でも、裏切られるのが怖くて結局女の人…今でも好きになれないんだけどね』

『…矢花、、』

ついつい余計な事を口走ってしまった
…嶺亜の表情を恐る恐る見るけどあまり気にしてないようだった

『…気付いてたんだ』

『ごめん、、』

『別に謝ることないじゃん』

『でも…なんだか嶺亜の気持ちを踏み躙った気分、、』

『俺も…俺もだよ。ごめん、A』

きっと、私が嶺亜のことを好きだった時代の事を言っているのだと思う

『もっと早く伝えてればよかった…そしたら、、お前が俺に抱いてた気持ちは恋なんかじゃなくて…兄妹愛だって気づかせてあげれたのに…』

『嶺亜は悪くないよ…それに、、それに私伝えてくれたのが今でよかったって思ってる、、嶺亜はどうか知らないけど大学時代をただの先輩後輩として過ごせたあの時は…すっごい楽しかったよ！』

『A…』

嶺亜はまた優しく笑うと私に一緒に出ようと手を差し伸べてくれた