私はラメントーソ (ページ37)

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．ページ37

…喪主は、、俺がやる…
…喪主は、、嶺亜がやる？

喪主っていうのは普通、故人の配偶者…でもお母さんは誰とも籍を入れていない状況だから長男の慶…でも慶は未成年だから私、、って流れになると思っていたんだけど

まさか、嶺亜がやるだなんて夢にも思わなかった

『な、…なんで嶺亜が、、』

私はさっきのゾクゾクとする感覚をすっかり忘れて無我夢中に嶺亜に問いかけた

嶺亜は必死な私を安全地帯から見て笑うように鼻で笑った

『…なに笑ってんのよ…』

『まあ、そうなるよなと思って』

『…当たり前じゃん、、遺言で指名したとか？』

『遺言？あの人そんなもん残してないよ』

嶺亜の言葉一つ一つになんだか違和感を感じる
なんだか彼の言葉それぞれに憎悪が垣間見えるような気がする、、
何故…だろう

『うん、まあ不自然に思うのは当然だよね』

『当たり前じゃない！なんで嶺亜が喪主なの？』

『…あれ？喪主やりたかったの？』

『やりたくないわよ！』

『じゃあなんでそんなムキになってんの？』

いざそう問われるとなんだか自分がおかしくてただただ恥ずかしいという感情に支配される

『うん…なんでもない、、腑に落ちない部分はあるけど…』

腑に落ちないなんてもんじゃない
昔自分が好きだった人が母親と付き合ってて…喪主をやりたいって言い出した

しかも当の本人はそこまで乗り気ではなさそうだ

『A。あの人になんだかんだ愛されてるよな。もちろん慶も』

『そんなわけないじゃん。絶縁したのよ？』

『でもあの人は最後までお前に嫌われたくないってその気持ち一つで嘘をつき続けてたんだからさ』

『どういう意味？』

『…あの人は必死に隠したかったみたいだけどさ、そりゃ不自然に思うよね』

『隠したかったってなにを？』

『本当に俺とあの女が付き合ってるだなんて思った？』

あの…女

あの女、その言葉一つに嶺亜の全ての感情が詰まっている気がして胸がギュッと締め付けられた

『…思わなかった…思わなかったけど、、お母さんだし…』

『最後までお前達に失望されたくないって理由だけで盾に使われた俺の気持ちわかる？』

嶺亜が…怖い
…悲しみ、怒り。二つの感情が入り混じった…濁った目をしている

『ねえ…』

『…なに？』

『嶺亜はお母さんとどういう関係なの？』

彼は少し憂いを帯びた目をして私に

『息子だよ。俺はあの女の息子。

だから俺、Aの兄ちゃんなの』

こう言った