私はラメントーソ (ページ23)

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．ページ23

私、矢花
テーブルを挟んで克樹

仮にも付き合っているんだから私は克樹の隣に座らないといけないんだろうけどなんだかその勇気は出なかった

『…ごめん克樹…私、、わたし…』

『別れよ』

私が言いたいことを言う前に、彼は四文字を私に容赦なく突きつけた

…まあ、そう言われる覚悟はできていたから特にショックを受けることはなかった

『ごめんね…』

なんだか決まりの悪い顔をしている矢花に対して、克樹はどこか清々しいような顔をしてニコッと笑った

…なんで笑うの…？私が重荷だった？

私と別れるのが嬉しいの？
なんだか腹立たしい気持ちと情けない気持ちが込み上げてきてどうすれば良いのか分からなかった…元はといえば悪いのは私なのに…

『一つ提案があるんだけど』

『提案？』

『そう』

彼は何か企んだような表情をしてニンマリと笑った
…策士の顔だ

『…友達』

『……友達？』

『そ、俺ら。友達にならない？』

『だからなんで友達…』

克樹が今にも笑い出しそうな顔をして少し俯く
矢花と私は訳がわからずただ克樹をぼんやり見つめることしかできなかった

『…友達…みたいなもんじゃない？今でも、、』

『…嶺亜』

『嶺亜？』

『さっき嶺亜に会ってきた』

『嶺亜が何か関係あるの？』

『…嶺亜が言ってたんだよ』

『だから何よ！嶺亜、嶺亜うるさいわね！』

克樹が楽しそうで今までの少しシリアスなムードが一気に明るくなった
…急展開すぎて私の頭はついていけなかった

『…Aと友達になってほしいって。あいつ、俺に頼んできたんだよ？』

『…嘘、、』

『嶺亜ってやっぱAに惚れてんじゃないかな〜？』

克樹が惚けた顔をしてブツクサと呟いている
…嘘だ、そんな訳がない…嶺亜が私に惚れている訳はない
…だって、、だって嶺亜は！！

『…あんまり必死に頼んでくるもんだから…まあ、なってあげようかな…みたいな、、』

『みたいなってなによ、…みたいなって』

克樹は少し黙った後、私に真剣に向き合ってこう言った

『A、…元カレとは友達にはなれないとかいうそんな馬鹿な信念捨ててさ…』

『…馬鹿な、、信念？』

『ねえ、A。どうしてAは友達って呼べる人が少ないんだと思う？』

…友達が少ない、
わかってはいるけど、面と向かって言われるとなんだかやはり心にくるものがある

…少ないってかほぼいないの間違いだけど…