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…阿達、、?


先輩の苗字は阿達。偶然だとは考えにくい、というか、実際逃げてたんだから多分親戚…若しくは


お父さん?


浮気が原因で離婚したって言う先輩の実のお父さん?
色々と考えを巡らせていると、なんだかフラフラと歩いている先輩の姿が見えた


別に無視しても良かったんだけどなんとなく放っておけなかったから俺は声を掛けることにした


『先輩!』


先輩はすぐ、驚いたように反応して俺のことをまじまじと見た


『あっ、矢花。さっきはごめんね…奢ってくれるって言ったのに』

『そんなこと気にしてたんすか?全然いいですよ。それより、先輩は大丈夫なんですか?』

『私?』

『顔色悪くないですか?』

『…そう?』



空の青と先輩の顔が下手したら同化するレベルで、見てるこっちがヒヤヒヤしてしまう



『さっきね、…お父さんがいたの』

『…やっぱり、、』

『あれ?知ってたの?』

『帰る時に阿達って呼ばれるのを聞いてもしかしてと思って…』

『もう長らく会ってないけどね…』



…そういえば
娘は小学校に入学して、息子は幼稚園って言ってた

もしかして再婚?
皮肉にも姉弟構成が全く一緒だ…



『…再婚してたんだね、お父さん。しかも子供までいる。…もしかしてあの時の浮気相手の人かな、、』


浮気は悪いことだけど、今日見た限りそんなこと到底しなさそうな素敵な人だった


なんとなく慶君を思わせるような風貌に落ち着いた喋り方、そして…多分愛妻家

こんなこと先輩には言えないけど家族を愛しているのだと思う



二人の間で嫌な沈黙が流れていた
何か丁度いい言葉をかけてあげれば良かったのかもしれないけど、俺って本当に気の利かない男だな、、



なにか言葉を紡ぎ出さないと、、!そう思っている途中に先輩の携帯が空気を読まず音を立てながら振動していた


『ごめん、出るね』

『気にせず、どうぞ』


なんか、一言一言気まずいなぁ…



『もしもし…どうしたの、、?』



フランクな口調からして身近な人間と電話していることは想像に容易い



『えっ…』



突然先輩から驚嘆の声が漏れて、普段の大きな丸い目がさらに大きくなっているのが見えた


『どうしたんすか!』


硬直している先輩を何度か揺らしてみるとやっと生気を取り戻したようでポツリポツリと言葉を紡いでいく



『…中村さんが…私たちの預貯金を持って逃げたって…』

『…中村さんが?』




先輩の口から俄には信じられない話が聞こえた

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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時:2022年4月15日 22時

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