. ページ21
『いくよ!』
嶺亜君の掛け声を聞いてから軽く円陣を組んで気合を入れる
…こんなに生き生きしてる嶺亜君を見るのは初めてでこの姿を先輩にも見せてあげたかったなぁ、、と思う
気合も十分に入ったのでそのままゾロゾロとステージに出る
もちろん先輩は一番前にいた
皆んなが持ち場についたから嶺亜君が軽くバンドの説明をしたら演奏スタートだ
『どうも!7 MEN 侍です!!』
…7 MEN 侍?
あれ?なんか一人増えてない?
嶺亜君の言い間違え?…それとも、意図的に?
観客には一人増えたからって何もわからないけど、俺たちには確かに動揺が広がっていた
微かな疑問を残しつつも、演奏をするしかない
…一旦考えないようにしよう
大光のドラムの音が聞こえた
その音が全く混じり気のない純粋な音だったから俺らはまた乱れたペースを戻すことができた
ドラマに続いて、キーボード、リードギター、サックス、キーボード、ギター、そして俺のベースが続いていく
そしてもちろん、続くように嶺亜君の歌が入る
歌詞はもちろん厨二だし、歌えって言われたら正直迷うけど…でも、嶺亜君はカッコよかった
きっと先輩が惚れたのはこの姿の嶺亜君なんだろうな、、
…あ、先輩のお母さん来てる
先輩が呼んだのかな、、もしかして少しでも多くの人に嶺亜君を見てほしいから?
観客席を見ると、みんなしっかり盛り上がってる
いつの日か嶺亜君のかく歌を馬鹿にしたあいつらにこれを見せてやりたい
そして、この嶺亜君の表情も見せてやりたい
物思いに耽りながらも演奏はこなし、いつの間にか観客の声援が聞こえてきていた
『ありがとう!』
皆んなが俺ら、特に嶺亜君を見て沸いている
…きっと、嶺亜君は唯一無二のミュージシャンだよ、、
俺らは感性をバックに控室へと戻る。最初はお互いを讃えあっていたけど、大光が一言
『7 MEN 侍ってなに?』
って言った
『…まあ俺ら六人と、聞いてくれた皆んなで七人って事だよ』
嶺亜君が少しすかして答える
『れーあさんらしくないね、そんなこと言うなんて、、』
『何?悪い?』
ほらほら、琳寧君が萎縮してるよ
『皆んな!おつかれ!よかったよ!』
澱んだ空気を壊すかのように先輩が入ってきた
珍しくナイスタイミング!
『嶺亜すごかったじゃん、、!』
嶺亜君はありがとうと軽く笑うと
『Aに報告があるんだ』
と言った
134人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年4月15日 22時