僕はアンプロンプチュ (ページ15)

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『矢花？全然変わらないね』

二週間後、俺は先輩に言われるがままに髙さんに連絡を取り俺らが通っていた高校近くのカフェに呼び出した

高校の時より更にカッコ良くなった髙さんを見て先輩来なかったの勿体無いな〜なんて思う

『髙さん、お久しぶりです』

『久しぶり、…でもなんで急に？』

『すいません、お忙しいですよね』

『いや全然？丁度就活も終わった所だし暇してたよ？』

『もう終わったんすか？…さすが、、』

相変わらず知的でクールでカッコいい男だ

『先輩からの伝言なんですけど、、』

『先輩？どの先輩？』

『阿達先輩ですよ！』

『阿達って…うっそ、A！？二人ってまだ交流あるの？』

『交流あるもなにも俺ら大学同じなんですよ』

『え？そうなの？俺全然知らなかったわ、、』

髙さんが卒業してから俺らには一切の交流がなかったから知らないのも当然だ、そしてそれはまた先輩も然り

『まさか二人で図って同じ大学行こうって？』

『そんなわけないじゃないですか！たまたまですよたまたま、、！』

『怪しいなぁ！』

髙さんが若干の疑いの目をこちらに向けつつも直ぐにいつもの顔に戻ったのでなんとなくホッとする

本当の本当に先輩と同じ大学に入りたくて今の大学に入ったわけではない。それは信じてほしい

『Aは元気にしてる？』

『それはもちろん！もうすぐ会えますからね、髙さん、楽しみでしょ？』

『まあ、、そうだね、！…それで、あいつが俺に頼みたい事って何？』

『…キーボードまだ続けてますか？』

急な俺の問いかけに先輩の体はびっくりしたように硬直した
けれども、直ぐに元に戻ってやってるよって一言呟いた

『少しバンドのサポートメンバーに入ってもらえないかな、、と思って…』

『誰のバンド？』

『俺達の先輩の中村嶺亜さんって人なんですけど、、』

『知らない…まあ当然だよね』

『先輩がどうしてもその人にバンドとしてステージの上で歌ってほしいって言うんです』

『矢花とバンド組んでるんじゃないの？』

『組んでたは組んでたんですけど、嶺亜君が四年生の時に俺がやっと一年だったので、まあすれ違いみたいなもんですよ、、』

『その前までは？…他の人とバンドとか、、』

まさか作る歌と性格に難があって人が寄り付いてこないなんていえないよ、、！

『ま、まあ色々な事情から？一度もステージで歌ったことがないので先輩が歌わせてあげたいって言うんですよ、、』