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『今度、慶のお見送りパーティーやるけど矢花も来ない?』

『慶君にはお世話になったので行きたいですね』

『お世話になったって何よ』

『先輩絡みでお世話になったじゃないですか』



普通、姉弟というものは上がしっかりしているものだと思っていたけど、ここの姉弟はなんだか少し特殊みたいだ



『中村さんはどうですか?…しばらくお名前聞いてませんけど』


中村さんと言うのは先輩のお母さんの四度目の婚約者で、実は俺は二人が結婚をするか否かといういざこざに少しだけ巻き込まれた経緯を持っている



『なんだかお母さんが今まで男運が無かったけど、それが利息つけて返ってきたって感じよ。…それぐらいいい人』

『そうなんですか。それは安心しました』

『慶が留学したいって言い出した時も、お母さんはうちにお金がないって反対したんだけどさ、中村さんが良い奨学制度探してくれたのよ』

『…その、聞きづらいんですけど大学の学費とかは大丈夫なんですか、、?』

『学費はね、お父さんが払ってくれてるの』



お父さん。
恐らく、先輩と慶君の実のお父さんだろう

確か、浮気を繰り返して離婚されたとか、、
だからか知らないが先輩はとても浮気に敏感だ



『お父さん。浮気以外は何も悪いところないんだよね…本当に非の打ち所がないの』

『…そうなんですね、、…でも確かに留学費用となると一般家庭がポンと出せるような額じゃないですよね、、』

『と言うよりもね、お母さんがお父さんに慶の事を会わせたくないのよ』

『なんでですか?』

『慶がいまいち中村さんに懐かないからじゃない?…慶はお父さんの事大好きだったししょうがないんだけど』



…もしかして、だから慶君。留学に?



『慶君も複雑なお年頃ですもんね…』

『お母さんもお母さんよね、なんだか少し慶が可哀想』

『…まあ中村さんも良い人なんだったら慶君も少しは…』

『同性だから尚更打ち解けられないのかもしれないしね…私はもう大きいから何も気にならないし、、』



やっぱり先輩の家は少し複雑だ
そして、先輩はそれを感じさせないくらいいつも元気だ



だけど今は、先輩じゃなくて慶君の事が少し心配だ


俺が何か話を聞いてあげられれば良いんだけど、、
そう思っていた暁に先輩が衝撃の一言を発した



『なんかね、嶺亜に話聞いてもらってるみたいよ。私よりずっと頼りになるんだってさ』

『嶺亜君がですか?なんか意外、、、』

.→←第五章 俺と新生活と先輩



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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時:2022年4月15日 22時

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