猗窩座になってるなんで【煉獄杏寿郎】

27 光 ページ25

 

｢話は変わりますが、実はこちらでお世話になってまして｣


ギュンと物凄い顔を見せて驚いてる。なんと可愛らしい表情！

千寿郎も驚いていた。今まで隠れて過ごしてたのでAの存在を知らない


｢ますます何を言ってるか分からない。俺は頭を打ったのか｣


凪咲と杏寿郎が自己紹介を済ませ軽く挨拶をし、事の経緯を話す


｢父上にも報告しなければならない。おそらく斬首だろうが。父上は変わらずだろう｣

｢その事ですが兄上、最近父上が変わられまして…｣


凪咲と少しずつ話すようになり、一緒にご飯を食べるまでになった

そこへ炭治郎が訪ねて来て、一悶着あったもののその後、改心したと千寿郎が説明した

原作通りに立ち直った槇寿郎さんだった


「今日も本部へ行っておられます」

「喜ばしい事だが、君の件は別問題だ」


そう言うとさらさらと手紙を書き要に持たせ本部へ飛ばした

すぐさま本部に呼ばれ審議が行われた

結果、禰󠄀豆子同様様子見と、煉獄家で身柄確保になる

ただしAの存在については柱以上の極秘案件となった



◇・・・・・・・・・・・・・・・・・



｢杏寿郎、すまなかった。今までよく頑張った｣


玄関で、父 槇寿郎が杏寿郎にそう言葉をかけ自室へ戻った

それをいつもと変わらない表情で聞いた

父が自身の力も誇りも全て手放してから、何回季節が変わっただろう

父の中でどのような心境の変化があったかは分からない

しかし長かった夜の闇を抜け、ようやく朝の光が見えた

良かった と一言呟く


「兄上」


振り返ると嬉しさで溢れた千寿郎がいた

杏寿郎の表情が、ぱあっと少年の笑顔になる

手を広げると飛び込んでくる千寿郎

硬く抱き合うふたり兄と弟

煉獄家に何十年かぶりに暖かい風が吹き抜けていった
 

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