月とオレンジ 4

171 千ちゃん ページ25

「あ、俺

千賀健永って言います！






近くの○○専門学校の2年で

休みはここでアルバイトしてます！」








元気よく自己紹介してくれた千賀くんは

学校に入った頃からここでバイトをしていて

常連のみっくんと仲良くなったらしい







背が高くて堀が深い外国人風の顔立ち






仕事用の黒いバンダナから覗く襟足は

金髪みたく明るい色をしてて







ザ、学生って感じ







全身、黒ずくめの制服なのに

それさえもオシャレに見えてしまうのは

彼の容姿によるものに違いなかった








この人、めちゃくちゃモテるんだろな








みつ「みとれてんじゃねーよ。」






隣からつっこまれてハッとした








「べ、別に見とれてなんかないから//

変なこと言わないでよ//」







初対面の年下くん


絶対、変に思われるから//








千賀「えっと……名前は……」







私たちのやり取りを見て笑ってた千賀君が

遠慮がちに聞いてきた







「あ、Aっていいます//





みっくんの幼馴染みで

最近この近くに引っ越してきました//」








千賀「みっくん……。





あ、そうなんですね！

じゃあ、またぜひ食べに来て下さい！」







人懐こい笑顔にキュンとしてしまう//









「千ちゃーん♪こっちも注文お願い！」







テーブル席に座る女性二人組






千ちゃん……








千賀「俺のあだ名です。





Aさんも、俺のこと

千ちゃんって呼んでくださいね♪」







って、にっこり笑うとじゃあって

女性客の方へ歩いていった







千賀「あ、そうだ！」






向きを変えて千賀君が私の方に歩いてくると







千賀「ちなみに俺はタイプですけどね♪」






え……え！？//







サラッと言うと、じゃあまた♪って

女性客の方へ行ってしまった







嬉しそうに千ちゃんを迎える女性







みつ「リップサービスな。」





本気で動揺する私に、的確な指摘







「わ、分かってるよ//」









みつ「てか、千賀目当てで来てんのかなー。

ここの売りはラーメンなのに。」







ちょっとつまらなそうに言うと

割り箸を割って麺をすすった








千ちゃん……確かにめちゃくちゃかっこいいし

年上から人気ありそう







かっこいい……いや、かわいいか








あんな人懐こい笑顔見たら

みんな虜になるだろうな

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