嘘つきな僕ら 26

1204 Tsaid 俺のため ページ10

裕太said





渉「お疲れー。」







楽屋に戻るとササっと荷物をまとめた渉が

颯爽と部屋を後にした








ガヤ「わた、早(笑)」






笑いながら荷物を片付ける







ガヤ「じゃあ、お先ー。」







そう言って部屋を出ようとするガヤを

咄嗟に呼び止めた







「ガヤ！」





不思議そうにこちらを振り向く








「さっき……なんで、あんな風に答えたの？」







『俺なら……知らないふりしちゃうかも。

好きだから』







誰かの為にばかり、自分を抑えて

行動してきたガヤが……そんな風に言うなんて








ガヤ「え……あー、何？

さっきのコーナーの？」






真剣な俺を前にポカーンって








ガヤ「別に、なんでなんてこともないけど。

ただの本音だよ。





好きだから、傍に居たいじゃん？」






ん？って……








「でも、ガヤは……そうしなかったから。」






俺が何を言っているのか分からないって顔







「ガヤは……好きだから、別れたんでしょ？」





……Aと








俺がメディアを前に公言したことを

行動したのは……ガヤ









ガヤ「あー、Aのこと？





あ、この前のこと気にしてんの？





俺が好きだとか言ったから。」







……。







……。









ガヤ「あれはさ、なんていうか……つい。




ごめんごめん。





そんなに気にしてるとは思ってなかった。







あれは、ただの勢いだったから。





別に、玉から奪おうとか……」







ははって、困ったように笑うガヤは

いつもの優しいお兄さん









メンバーを……俺を……第一に思ってくれる

頼れる兄貴








でも、ガヤは嘘ついてる







それは紛れもなく俺らの……俺のため







本音は自分の中に飲み込んで

俺の背中を押す







ガヤの姿が重なった






いつだって俺のことばかりのAに








Aはガヤが好きで……

ガヤはAが好きで……







でも、二人とも

自分からは近付かない








俺が……居るから

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